まずはドイツ人が実際にどのように1日を過ごしているかを、著者の勤務していたドイツ企業を例に再現してみよう。
朝6時、人々はすでに1日の始まりに向けて動き出している。早起きの人は7時前から出勤し、午後3時頃には1日の業務を終える。このように朝早くから働き、夕方には帰宅する生活が一般的だ。
ドイツでは個人の時間が重視され、労働時間内で仕事を完結させる文化が根付いている。フレックスタイム制が一般的で、基本的には残業は一切しない。
著者のかつての勤務先では、朝の15分ほどのカフェタイムが、エネルギーを高める役割を果たしていた。エスプレッソマシンでいれたコーヒーを手に立ち話をすると、たいていカジュアルな会話から仕事の話題へ自然と移行していく。このスペースでは「心理的安全性」が保たれていて、会話の中から自由な発想が生まれやすくなっていた。
カフェタイムを終えると自席へ向かう。自席は広々と開放感のあふれるスペースで、窓の外の美しい自然や、オフィス内の観葉植物と合わさって、最高の環境が整えられていた。こうした環境では創造性が刺激され、高い集中力を発揮できる実感があった。
午前中には誰にも邪魔されずに創造性の高い仕事をして、ランチの後には森へ足を運び、脳をリフレッシュさせる。散歩で午後の中だるみや眠気を吹き飛ばし、午後へと向かう。
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