日本企業の人事部門が直面している課題として、著者は次の6つを挙げる。
1つ目の課題は「エクスペリエンス(=いい体験)の創出」だ。日本は他の先進国と比較して労働生産性が低く、その最大の要因は職務と人材のミスマッチにある。これに対処するには、採用プロセスにおける「応募者体験の向上」、入社後に求めるスキルと働き手が保有しているスキルのギャップを可視化して埋める「従業員体験の向上」が必要となる。
応募者体験や従業員体験の向上は、2つ目の課題である「人材獲得競争」にも有効だ。良質な応募者体験を提供できる企業は、応募者自身がそこで活躍するイメージを描きやすく、採用競争力が高まる。また、従業員体験を高いレベルで提供できれば、離職を防ぎやすくなる。
3つ目の課題は「ビジネス環境の急激な変化」だ。これはチャンスにもなり得る。変化の波に乗ることで、誰もがビジネスを先導する「ディスラプター(破壊者)」になれるからだ。
激しい変化の中で、「アジャイル人事」の実践がますます必要となる。例えば、週に一度の1on1面談、行動変容を促す「リアルタイムフィードバック」、よい行動を互いに褒め合う「ピア・リコグニション」などである。
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