本書では、「選択理論(選択理論心理学)」をベースにした「リードマネジメント」の手法を伝えていく。
選択理論の特徴は「すべての行動は自らの選択である」と考えることだ。つまり、何かの行動を“選択できる”のは本人だけであり、他者がその行動を直接“選択させる”ことはできないと考える。
リードマネジメントが目指すのは「メンバーの成長(個々人の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスを最大化すること」だ。そのためにマネジャーは、人間には生まれながらにして5つの基本的欲求が備わっているということを知っておく必要がある。
その5つとは、生存、愛・所属、力、自由、楽しみの欲求だ。人はこれらの欲求を満たす「上質世界=願望」を手に入れようとして行動する。メンバーの成長を支援する上では、この仕組みを理解することが不可欠だ。
リードマネジメントには次の5つの技術がある。
(1)リーダーシップの技術
(2)個人の成長支援の技術
(3)水質管理の技術
(4)委任する技術
(5)仕組み化する技術
要約ではこれらのうち、リーダーシップの技術、個人の成長支援の技術、水質管理の技術を取り上げる。
1つ目の技術は、リーダーシップの技術だ。
選択理論では、人は生まれながらに5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を持っていると考える。そして、5つの欲求を満たすイメージ写真が蓄積されたアルバムのようなものを「上質世界」と呼ぶ。
マネジャーがすべきことは、チームのメンバーの上質世界にあるものを「知り」、その上で「自分を上質世界に入れてもらう」ためのアプローチを行い、最後は「仕事や会社が上質世界に入るように拡張する」ことだ。この状態が実現できれば、メンバーは自ら主体的に仕事に取り組むようになる。
なお、メンバーの上質世界に入るためには、相手との信頼関係が欠かせない。担当業務で成果を上げて「尊敬」されることと、傾聴する、支援する、励ます、尊敬する、信頼する、受容する、違いを交渉する、の7つの習慣を実践することで、メンバーとの信頼関係を醸成しよう。
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