部下をもったらいちばん最初に読む本
部下をもったらいちばん最初に読む本
人と組織のパフォーマンスを最大限に引き出す仕事術
部下をもったらいちばん最初に読む本
出版社
アチーブメント出版

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出版日
2024年09月12日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

会議や1on1で熱心に伝えたはずの指示が、どうもメンバーに響いていない。期待していた成果が出ず、もどかしさと責任感に押しつぶされそうになる。どうやったらメンバーのやる気と能力を引き出せるのか――。そんなふうに悩んでいるマネジャーがいたら、ぜひ本書を手に取ってほしい。

本書の著者、橋本拓也氏は、アチーブメント株式会社の取締役営業本部長であり、トレーナーでもある。新卒入社3年目からメンバーマネジメントに携わるが、うまくいかず、信頼関係を築けないままメンバーの異動や退職が相次いだそうだ。当時のマネジメントを振り返り、“無免許運転”と表現している。

そんな橋本氏のマネジメントスタイルが変わり、組織の飛躍的な成長を実現したのは、「リードマネジメント」に取り組んだことがきっかけだった。選択理論心理学を基盤にしたこの手法を通じて、橋本氏は新卒初の執行役員から取締役に就任。現在は1300人以上のメンバーマネジメントを担い、年間1.8万人以上が受講するセミナーのメイン講師として活躍している。

本書では、橋本氏が取り入れた「リードマネジメント」の5つの技術が、丁寧かつ具体的に明かされている。橋本氏の失敗談を交えた親しみやすい語り口で、マネジャーになりたての人でもスラスラ読める内容だ。

メンバーと信頼関係を築き、メンバーの力を最大限に引き出してチームで結果を出せるマネジャーになりたいなら、ぜひ熟読を勧めたい。この一冊が、あなたとチームの未来を変えるきっかけになるはずだ。

著者

橋本拓也(はしもと たくや)
アチーブメント株式会社 取締役営業本部長。トレーナー。
千葉大学卒業後、2006年アチーブメント株式会社に入社。入社1年目で新規事業の責任者に抜擢され家庭教師派遣事業を立ち上げるも、5年で事業閉鎖。2008年よりメンバーマネジメントに携わるが、異動・退職などが多く、7年間マネジメントの無免許運転期間を過ごす。
その後、世界60か国以上で学ばれる「選択理論心理学」を土台にしたマネジメントに取り組み、マネジメントが激変。メンバーおよび組織の飛躍的な成長を創り出し、2021年に新卒初の執行役員、2022年に取締役に就任。
現在は130人以上のメンバーマネジメントに携わる。2023年に開講したマネジメント講座は1年でシリーズ累計1000人以上が受講。また、企業経営者や管理職、ビジネスパーソンらが年間1.8万人以上受講するセミナー『頂点への道』講座シリーズのメイン講師を務める。これまでに研修を担当した受講生は2万人に上る。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間は生まれながらにして5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を持っており、その欲求を満たす「上質世界=願望」を現実世界で手に入れようとして動く。
  • 要点
    2
    リードマネジメントの5つの技術は、リーダーシップの技術、個人の成長支援の技術、水質管理の技術、委任する技術、仕組み化する技術、である。
  • 要点
    3
    5つの基本的欲求は、人それぞれに強弱のバランスが異なる。メンバーと信頼関係を築きたいマネジャーは、メンバーの欲求バランスの傾向を分析し、相手の欲求を満たす関わりを続けなければならない。

要約

リードマネジメントとは何か

リードマネジメントが目指すもの

本書では、「選択理論(選択理論心理学)」をベースにした「リードマネジメント」の手法を伝えていく。

選択理論の特徴は「すべての行動は自らの選択である」と考えることだ。つまり、何かの行動を“選択できる”のは本人だけであり、他者がその行動を直接“選択させる”ことはできないと考える。

リードマネジメントが目指すのは「メンバーの成長(個々人の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスを最大化すること」だ。そのためにマネジャーは、人間には生まれながらにして5つの基本的欲求が備わっているということを知っておく必要がある。

その5つとは、生存、愛・所属、力、自由、楽しみの欲求だ。人はこれらの欲求を満たす「上質世界=願望」を手に入れようとして行動する。メンバーの成長を支援する上では、この仕組みを理解することが不可欠だ。

リードマネジメントの5つの技術

リードマネジメントには次の5つの技術がある。

(1)リーダーシップの技術

(2)個人の成長支援の技術

(3)水質管理の技術

(4)委任する技術

(5)仕組み化する技術

要約ではこれらのうち、リーダーシップの技術、個人の成長支援の技術、水質管理の技術を取り上げる。

【必読ポイント!】 リーダーシップの技術

メンバーの上質世界に入るには?
アチーブメント出版提供

1つ目の技術は、リーダーシップの技術だ。

選択理論では、人は生まれながらに5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を持っていると考える。そして、5つの欲求を満たすイメージ写真が蓄積されたアルバムのようなものを「上質世界」と呼ぶ。

マネジャーがすべきことは、チームのメンバーの上質世界にあるものを「知り」、その上で「自分を上質世界に入れてもらう」ためのアプローチを行い、最後は「仕事や会社が上質世界に入るように拡張する」ことだ。この状態が実現できれば、メンバーは自ら主体的に仕事に取り組むようになる。

なお、メンバーの上質世界に入るためには、相手との信頼関係が欠かせない。担当業務で成果を上げて「尊敬」されることと、傾聴する、支援する、励ます、尊敬する、信頼する、受容する、違いを交渉する、の7つの習慣を実践することで、メンバーとの信頼関係を醸成しよう。

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要約公開日 2025.02.04
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