子育ての「引き算」
詰め込みすぎの毎日が変わる!
子育ての「引き算」
子育ての「引き算」
出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2024年11月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

子どもをもってはじめて気づくこと。それは、やらなくてはならないことが多すぎることだ。仕事や家事をこなしながら、責任もってわが子を「ちゃんとした子」に育てなければならない。誰もがそんなプレッシャーを抱えている。

しかも最近は子育てに関する情報があふれていて、「〇歳までにこれができないと」「将来のために××を習わせるべき」と、どこからともなく耳に入ってくる。ただでさえ子育ては不安だ。気持ちに余裕がなくなって、イライラしてしまうこともあるだろう。

本書は、そんな子育て中の人に向けた一冊だ。「モンテッソーリ教育」をご存じだろうか? 世界140カ国で行われている教育法で、「子どもには『自ら育つ力』がある」という考えを軸とする。本書ではモンテッソーリ教育をベースに、あれもこれもと詰め込みすぎる現代の子育てを軽くする、「子育ての引き算」を提案する。

そもそも、人間には自然に育つ力が宿っている。赤ちゃんは数年経つと、誰が教えなくても歩いたり走ったり話したりするようになる。その自然な力を信じてサポートしていくことこそが、大人の役目なのである。

本書では「子育ての引き算」の基本的な考え方から、引き算すべき7つの要素を具体的に解説する。日常での声かけ例も載っているため、すぐに応用できるのも嬉しい。

あれこれ詰め込んでしまうのは、すべてわが子を思う気持ちからである。だけど、もっと大人も子どもも楽しくて、楽になれる子育てもある。本書を読めばそれがわかるはずだ。

※本書は0~6歳児を中心に、0~9歳を対象として書かれています。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

モンテッソーリ教師あきえ
国際モンテッソーリ教師(AMI)、幼稚園教諭、保育士。プライベートでは二児の母。
公立幼稚園勤務後、自身の出産を機に日本の「大人主導」の教育に疑問を抱き、モンテッソーリ教師になる。「子どもが尊重される社会をつくる」ことをビジョンにモンテッソーリ教育を軸にした子育てについての情報をInstagram、音声メディアVoicy、YouTube、X(旧Twitter)で発信中。子育てのためのオンラインスクール「モンテッソーリペアレンツ」運営、ベビーブランド「mu ne me」ファウンダー、オンラインコミュニティ「Park」主宰。著書に『モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て』(すばる舎)『モンテッソーリ流声かけ変換ワークブック』(宝島社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    楽しく心地よい子育てをするコツは「引き算」にある。あれこれ「足す」のをやめて、本当に大事なものだけを選び取り、それ以外は手放していこう。
  • 要点
    2
    「子どもの育ち」のゴールは2つの「じりつ(自立/自律)」にある。子どもには本来「自ら育つ力」が備わっている。その力を信じて、「じりつ」するまで長期的にサポートするのが親の役目である。
  • 要点
    3
    子育てで「引き算」すべきは、「決めつけ」「手出し口出し」「期待の押しつけ」「べき思考」「競争&比較」「不一致な言動」「賞罰」の7つだ。

要約

「子育ての引き算」とは

子育ては「初めての登山」に似ている

子育ては、初めての登山に似ている。これから大きな山に登ろうとするとき、どんなことを考え、準備をするだろうか? 頂上までのルートや時間。何をもって行けばいいか。季節はいつ頃がベストで、どんな服装が適しているのか。頭の中は心配事でいっぱいになるだろう。

「子育て」は大仕事であり、登ったことのない大きな山に登るようなものである。不安やプレッシャーがあって当然だ。そのため「これが必要かもしれない」「あれももっておいたほうが安心だ」と、さまざまな情報や「良い」と言われるものを詰め込んでしまう。

しかし、重たい荷物をもって歩くのは大変だ。子育てという山を登り始めるときにまずやるべきことは、「何が必要で、何が不要なのか」を考えることである。

足し算から引き算へ
P.35 より引用(© 德丸ゆう)

子育てを楽しく心地よいものにしたいなら、「引き算」をしよう。あれもこれもと「足す」のをやめて、本当に大事にすべきことを見極める。そして必要なものだけを選び取り、それ以外は手放していく。それが「子育ての引き算」だ。

引き算すべきは、「ムリ・ムダ・ムラ」の3つである。子どもも大人も無理をしないといけない「ムリ」、必要のない「ムダ」、そして一貫性のない「ムラ」である。この3つを取り除くことでより豊かな子育てができ、子どもにも大人にも、ポジティブな変化がもたらされるだろう。

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要約公開日 2025.03.01
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