おとな「ひとり温泉旅」のススメ
おとな「ひとり温泉旅」のススメ
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おとな「ひとり温泉旅」のススメ
出版社
出版日
2025年01月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

「ひとり温泉旅」と聞いてすぐに思い浮かんだのは「そんなの無理」ということだった。仕事は忙しいし、子どもは小さい。移動や宿泊費用、スマホも持ち込めない温泉で過ごす時間を想像し「いつか余裕ができたら……」という気持ちで読み始めた。だが、いつしかそんな諦めは引っ込み、次々と出てくる温泉地に「行きたい!」とチェックを付ける自分がいた。

本書は、全国3600もの湯を巡った温泉ジャーナリストの著者が、ハードルが高いと思われがちな「ひとり温泉旅」の魅力を余すところなく伝える一冊だ。温泉の基礎知識から宿選び、現地での過ごし方やオススメ温泉地まで、幅広く網羅されている。

本書を読むと、その時々の自分の希望や状況に合った温泉を見つけやすくなる。「ひとり旅は難しい」「勇気がない」という人もいるかもしれない。ただ、万難を排してでも「ひとり」で旅をする意味、わざわざ足を運ぶ価値のある名湯が数多く存在することを、本書は教えてくれる。

「温泉は、五感で楽しむレクリエーション」と著者は言う。本書からは、お金や時間をかけることとは別の意味の「贅沢」が浮かぶ。つまり心身をフルに使って、湯や食、景観やもてなしといった日本の資源を味わい尽くす、デジタルやAIでは代替できない「贅沢」だ。

本書には、温泉にまつわる多彩な知識や専門家による解説、そして充実した温泉旅にするための実用的な情報が詰まっている。要約者が通読して感じたのは、日本の自然の魅力と、「ひとり」で自分に向き合うことの大切さだった。

著者

植竹深雪(うえたけ みゆき)
埼玉県出身。これまでに全国3600の温泉に浸かり、宿泊は1500泊以上。TBSラジオのキャスター、岩手めんこいテレビの局アナ兼記者を経て、現在はフリーアナウンサー&温泉ジャーナリストとして、テレビ・ラジオ・雑誌・WEBなどのメディアで活躍中。講演・講師の活動実績も多数。2013年に株式会社ヤドコミュニケーションズを設立し、旅館再生コンサルタントとしても活躍中。著書に『からだがよろこぶ! ぬる湯温泉ナビ』(辰巳出版)がある。

前田眞治(まえだ まさはる)
国際医療福祉大学大学院リハビリテーション学分野教授、国際医療福祉大学クリニック院長。
温泉医学を40年以上研究し、2012年に改定された環境省の「温泉の禁忌症・適応症・注意事項」の主なるメンバーとして制定にかかわる。温泉医学の日本の代表的研究者として、テレビなどのメディアでも活躍。
著書に『温泉の最新健康学』(悠飛社)、『最新温泉医学』(日本温泉気候物理医学会、分担執筆)、『玉川温泉湯治の手引き』(玉川温泉研究会)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ひとり温泉旅の魅力は「自由」である。自由気ままに温泉に浸かり、地元の食や風景を堪能する。忙しい現代人にぴったりの贅沢だ。
  • 要点
    2
    「ひとり温泉旅」デビューには、にぎやかな有名温泉地より、ひとり向けプランのある田舎の小さな温泉宿がオススメだ。
  • 要点
    3
    温かい温泉と冷たい温泉を交互に入る「温冷交互浴」を試してみよう。温冷刺激により血液の循環が促進され、疲労回復やリラックス効果が期待できる。

要約

知っておきたい温泉の基本

忙しい人こそ「ひとり温泉旅」を

ひとり温泉旅、その最大の魅力は「自由」である。周りを気にせず気の向くままに温泉に浸かり、地元の食や風景を堪能する。忙しい現代人にぴったりの贅沢である。

温泉施設に1~3週間ほど滞在し、体の不調を癒す「湯治」。その歴史は古く、飛鳥時代にまで遡る。近年は滞在期間を短縮した「新・湯治」が注目され、環境省主導で推進されている。

温泉旅には、普段過ごす場所から100km以上離れた環境で得られる「転地効果」によるストレス軽減のほか、身体的疲労の軽減や温熱によるデトックス効果なども期待できる。

日帰りでも、週末の1泊2日でも構わない。忙しく日々を過ごす人こそ「ひとり温泉旅」に挑戦してみてほしい。

「泉質」の違いを楽しむ
Gyro/gettyimages

温泉とは何か。温泉を定義する「温泉法」によると、「地中から湧き出た際の温度が25度以上」、もしくは「定められた19種類の成分のうち1つ以上を規定量以上含む水やガスであること」。このいずれかの条件を満たすものが「温泉」なのである。

また、「天然温泉」とは「地中から湧き出ていて、温泉成分が含まれているもの」を指す。一方、多くの銭湯のように「井戸水を沸かしたもの」は「人工温泉」と呼ばれる。

日本の温泉は多種多様で、温度、色、におい、浴感など、それぞれに特徴がある。環境省が分類する10種類の泉質のうち、最もポピュラーなものが「単純温泉」だ。成分が薄くマイルドなため、赤ちゃんでも安心して入浴できる。

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要約公開日 2025.03.09
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