あなたの話が「伝わらない」のは声のせい
あなたの話が「伝わらない」のは声のせい
あなたの話が「伝わらない」のは声のせい
出版社
出版日
2025年01月31日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

美しい声で、流れるように話すアナウンサー。その声に魅了される人は多いだろう。

同じ文章でも、声のいい人が読むと、耳心地がよく、内容がするすると頭に入っていく。端的に言えば、「伝わりやすい」のである。

本書の著者・墨屋那津子さんは、元NHKアナウンサー。「おはよう日本」「ニュースウオッチ9」などの看板番組を担当し、30年以上にわたり“声のプロ”として活躍してきた。その豊富な経験をもとに、誰でも「伝わる話し方」を実現できる「スミヤメソッド」を開発。「話に説得力が増した」「滑舌が改善した」などと評判は上々だ。

では、「伝わる声」とはどのような声なのだろうか? 墨屋さんによると、そのベースは「地声」にあるという。家族や友人と話すときの、いつもの自分の声。それを少しブラッシュアップするだけで、相手に伝わりやすい「いい声」になるのだそうだ。

そのお手本として紹介されるのが、著者の同期である有働由美子アナウンサーだ。たしかに、彼女の声は甲高い取り澄ましたものではなく、落ち着いていて聞きやすい。そして、ニュースを読むときとトークをするときの差をほとんど感じさせない。

本書で紹介する「スミヤメソッド」を実践すれば、誰でも簡単に「伝わるいい声」を手に入れられる。要約でもその概要やトレーニング方法を取り上げているため、まずは気軽に試してみてほしい。きっと自分の「いい声」に驚くはずだ。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

墨屋那津子(すみや なつこ)
アナウンサー(元NHK)/キャリアカウンセラー
石川県生まれ。NHK「おはよう日本」「ニュースウオッチ9』ニュースリーダー、NHK Eテレ『100分de名著」語り手などで活躍。30年以上にわたる幅広い経験を通じて培った「声のキャリア」と「声の原則」を基盤に、声の出し方を変えることで誰でも瞬時に「伝わる話し方」を実現する「スミヤメソッド」を確立。
「自分本来の声」を最大限に引き出し、声の力で多くの人の課題解決に貢献。人生を好転させるサポートをしている。
即効性が特徴で、「同じ話をしても印象が変わる」「滑舌が劇的に改善」「話し方に説得力がついた」と評判を呼び、口コミだけで2000人以上が受講。また、カナダ・トロント大学と専修大学で実践的講義を行う。企業のコミュニケーション顧問やセミナー講師も務める。国内外のCEO、要人、アナウンサー、ナレーター、会社員、学生など幅広い受講者の声を変えてきた実績がある。
伝統工芸「真田紐」の織の家に生まれ、2男1女の母でもある。
sumiyanatsuko.jp
Instagram@sumiyanatsuko

本書の要点

  • 要点
    1
    「伝わる声」のベースは地声である。無理して高い声を出したり、声色を変えたりする必要はない。
  • 要点
    2
    伝わるように話すには「意味のまとまりをひと息で話しきること」が大切だ。話を区切りすぎると、聞き手は理解しづらくなる。
  • 要点
    3
    滑舌がいいと、自信に満ちた印象を与えられる。滑舌は簡単なトレーニングで改善できる。
  • 要点
    4
    声は呼吸によって生まれる。「信頼される地声」を出すためには、しっかり息を吸うことが大切だ。

要約

話し方より「伝わる声」

リラックスすれば「伝わる声」が出る

伝わる声とは、「心も体もリラックスしたときに出る、響く声」である。そこには不自然さや力みがなく、相手にもストレスを与えない。

伝わるいい声の持ち主として思い浮かぶのは、著者のNHK時代の同期である有働由美子さんだ。一流の人ほど、ふだんの声と本番の声が一致している。有働さんの声は、プライベートでもニュースのときでもまったくブレない。彼女は声を通じて信頼を築いており、まさに一流の人である。

伝わる声は「地声」の延長
kazuma seki/gettyimages

「伝わる声」のベースは地声である。「地声で話すのは失礼」「人前ではきちんとした声でないと」と思うかもしれないが、実際はそうではない。NHKの新人アナウンサー研修でも、「地声をベースに」と教えられている。

ただし、その地声とは、普段友人と話すときのような「ゆるい地声」ではなく、しっかりとした呼吸がともなった「格上げした地声」である。地声は、伝わる声をつくるための大事な一歩なのだ。

相手によって声色や話し方を使い分けなければならない、と思う人もいるかもしれない。しかし、これはかなり高度なテクニックであり、声色を変えすぎると、かえって信用を失うこともある。

一昔前までは、電話では声を高くして「よそいきの声」を使うのが一般的だったかもしれない。しかし、今は仕事でもプライベートでも、一貫した声で話すほうが信頼される。

地声をベースにした「信頼される声」には、少しトレーニングをすれば誰でもなれる。次章からは、その方法である著者考案の「スミヤメソッド」を紹介していく。

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要約公開日 2025.04.09
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