仕事も対人関係も 落ち着けば、うまくいく
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出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2025年01月01日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

翌日の仕事のことを考えると不安になり、なかなか眠れない。大事なプレゼンの最中に頭が真っ白になり、自分が何を話しているのかわからなくなった。そんな経験はないだろうか。本書は、そうした緊張や不安に悩むビジネスパーソンに向けた一冊だ。

著者は、数々の著書を手がけるとともに、多くの人の心に寄り添い続けている人気の精神科医、和田秀樹氏である。本書では、精神科医としての豊富な経験と科学的根拠をもとに、平常心を取り戻し、本来の実力を発揮するための37の方法を紹介している。

著者は、心の仕組みを理解し、少しだけ考え方を変えることの重要性を繰り返し強調している。緊張や不安が生じるメカニズムについて、脳の働きや心理的要因を明らかにしながらわかりやすく解説し、具体的な考え方や行動のコツを提示してくれる。単なる精神論ではなく、実践しやすいテクニックもあわせて紹介しているのが特徴だ。

本書で取り上げられている、不安を感じやすい人のどの特徴が自分に当てはまるか、振り返りながら読み進めてみよう。思わぬことが、自分自身の日々の緊張につながっていると気づくはずだ。今まさに不安や緊張に悩んでいるビジネスパーソンはもちろん、自分の思考のクセや心の仕組みを知りたい人にもおすすめの一冊だ。

ライター画像
Akamune Gyozo

著者

和田秀樹(わだ ひでき)
1960年大阪府生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、アメリカ・カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。立命館大学生命科学部特任教授。一橋大学非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。
著書に『感情的にならない本』『70歳が老化の分かれ道』『80歳の壁』『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    みんなに好かれようとしたり、人目を気にしたりすることが緊張や不安につながる。周囲の人は思った以上に自分を見ていないものだ。
  • 要点
    2
    感情に振り回されない自分を作るために、不安の原因となる固定観念を打ち破ろう。
  • 要点
    3
    うまくいっている人は、自分にとって重要なものにエネルギーを全集中している。割り切って自分の行動スタイルを決めよう。

要約

現代を取り巻く「悪い緊張」

緊張しやすい人の5つの特徴

日常的に起こる緊張には、「いい緊張」と「悪い緊張」がある。いい緊張とは、新しい挑戦やチャンスに直面したときの感情の変化で、集中力や判断力を高め、意欲を刺激し、パフォーマンスを向上させる。

一方、悪い緊張は、過度の心配や不安などから生じ、思考力や判断力を鈍らせ、パフォーマンスを低下させる。重要なのは緊張それ自体ではなく、緊張の原因を見極め、それに応じた対策を考えることである。

他の人と比べて緊張しやすい人には、次のような5つの特徴がある。

まず、真面目で責任感が強い人だ。一人で責任を抱え込みやすく、失敗できないというプレッシャーを自分にかけてしまう。

次に、完璧主義で自分のミスが許せない人だ。自分の些細なミスも許せず、イメージ通りに物ごとが進まないとイライラしてしまう。

そして、ネガティブ思考の人だ。最悪のケースばかりを想像してしまい、失敗するのではと不安になるところから緊張が始まる。

4つめは、周囲の評価を気にしがちな人だ。自己肯定感が低く、大勢の人を前にすると「自分はどう思われるのか」と考え、自らを追い込んでしまう。

最後に、人と会話をするのが苦手な人だ。会話自体にストレスを感じ、「うまく話せるか」と考えるうちに、何を話しているのか自分でもわからなくなってしまう。

緊張を生む「コミュ力」
Yutthana Gaetgeaw/gettyimages

HSP(Highly Sensitive Person)の人は緊張しやすいと言われている。この概念を提唱した米国の心理学者、エレイン・アーロン博士によると、15~20%の人はHSPの気質を持っているという。小さな音や匂いに敏感で、他人の感情に影響を受けやすく、些細なことでも深く考えてしまう。そうした感受性の豊かさが過緊張につながるのだ。

また、現代の日本では、周囲に合わせられるという意味でのコミュニケーション能力が重視される。自分の意見を伝えるよりも、相手の考えに寄り添うことが求められるため、ストレスが溜まりやすく、不安を感じることも増える。こうした状況が、「緊張や焦りを生む大きな原因」になっている。

いつもどおりの落ち着いた自分、平常心でいるために、まずは不安な気持ちになる「心の仕組み」を見てみよう。

【必読ポイント】 緊張の「仕組み」を知る

不安を生む思考習慣

平常心を保てない原因は、周囲の人ではなく、多くの場合、自分の考え方にある。本書にはそのメカニズムがいくつか紹介されているが、ここでは2つピックアップしよう。まずは思考習慣だ。

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要約公開日 2025.04.13
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