「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方

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「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
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「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
出版社
サンマーク出版
出版日
2012年10月10日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

本書を読むと、リーダーシップという言葉のイメージが変わるかもしれない。リーダーシップは生まれつきのものではなく、誰でもリーダーになれる素質を持っている、と著者は断言する。リーダーシップと言えば、「オレについてこい」という強烈なリーダーや、カリスマ的な魅力で部下を引っ張るリーダーをイメージする人が多いと思う。だが、『「ついていきたい」と思われるリーダー』とは、謙虚で周りから支持されるリーダーであり、部下を大切にする、現場を重視する、「誰よりも会社を愛し、みんなのために頑張ろう」と思っている、そして人間力を磨くために日々努力をしている、という特徴を持っている。

著者は、ザ・ボディショップ、スターバックス コーヒー ジャパン等の経営者として、輝かしい実績を残しているが、それについて、みんなに「ついていきたい」と思われるリーダー像を実践するよう努力していたら、結果を出すことができた、と書いている。逆に言えば、社内の多くの人、特に顧客接点である現場のスタッフに、「ついていきたい」と思わせることでモチベーションを高めるという、優れた戦略を実践していると言えるのではないか。

本書では、その実践方法が具体的に紹介されており、日々の業務に即座に取り入れていくことができる。組織のリーダーを務めている方はもちろんのこと、上にばかりいい顔をする上司に違和感を覚えている方、そして、これからリーダーを目指したいと考えている方に、是非本書を読んでいただきたい。

著者

岩田 松雄(いわた・まつお)

株式会社リーダーシップコンサルティング代表。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授、早稲田大学ビジネススクール非常勤講師。
1958年生まれ。
大阪大学経済学部卒業後、日産自動車株式会社に入社。生産、品質、購買、セールスマンから財務に至るまで幅広く経験し、 UCLAアンダーソンスクールに留学。その後、外資系コンサルティング会社ジェミニ・コンサルティング・ジャパン、日本コカ・コーラ株式会社役員を経て、ゲーム会社の株式会社アトラスの代表取締役社長として、三期連続赤字企業をターンアラウンド。株式会社タカラ常務取締役を経て株式会社イオンフォレスト(ザ・ボディショップ)の代表取締役社長に就任。店舗数を107店舗から175店舗に拡大、売り上げを67億円から約140億円に拡大させる。その後、スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社のCEOとして「100年後も光り輝くブランド」を掲げ、業績を右肩上がりに成長させる。2010年度には過去最高売り上げ1016億円を達成。
それらの実績が認められ、UCLAビジネススクールより全卒業生3万7000人から、「100 Inspirational Alumni」(日本人でわずか4名)に選出される。
現在、リーダーシップコンサルティングを立ち上げ、次世代のリーダー育成に力を注いでいる。
本書『「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方』(サンマーク出版)は30万部を超えるベストセラーとなり、話題を集めた。ほかに『「君にまかせたい」と言われる部下になる51の考え方』(小社)、『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』(アスコム)、『「情」と「理」話し方の法則「言葉」は不器用でも、足りなくてもかまわない』(三笠書房)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「ついていきたい」と思われるリーダーとして、謙虚で支持されるというリーダー像が存在する。
  • 要点
    2
    謙虚で支持されるリーダーは、部下と深い信頼関係を築き、現場を大事にしている。
  • 要点
    3
    リーダーは、長期的、表向きは楽観的で、短期的、内面では悲観的なシナリオにも備えておく必要がある。
  • 要点
    4
    リーダーには人間力が不可欠である。優れたリーダーは、人間力を高めるために日々努力している。

要約

「ついていきたい」と思われるリーダーの「考え方」

リーダーシップは生まれつきのものじゃない
©iStock/gmast3r

著者のリーダーシップは、高校から本格的に始めた野球でキャプテンになった経験が原点になっている。目立った活躍もしていない著者に、どうしてキャプテンが命じられたのかというと、下級生が、「岩田先輩をキャプテンにしてほしい」と強く推薦したというのだ。著者は、上級生だからと特に意識することなく、下級生たちと一緒によくグラウンド整備をしたりしていた。また、試合にも出られないのに一所懸命に練習に取り組んでいた著者の姿は、上級生たちもしっかり見てくれていたという。まわりの人から押し上げられて、著者はリーダーになったのだった。

幼い頃からリーダーシップを発揮する子どもたちもいるが、著者はそういう友達に憧れる普通の子供だった。後に社会に出てからも、自らリーダーシップを発揮しよう、などと意識したことはない。リーダーシップとは生まれつきのものなどでは決してない、ということ。誰でもリーダーになれる素質を持っているのだ。

まず「リーダーシップ」のイメージを変えなさい

リーダーシップといえば、多くの人がイメージするのが、オレについてこい、というカリスマ的な力で、グイグイ人を引っ張っていく、というものではないだろうか。

ジェームズ・C・コリンズの名著『ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則』(日経BP社)では、多くの人がイメージするカリスマ的な力によるリーダーシップは「第4水準」という書き方がされている。その上のリーダーシップとして「第5水準」というリーダーシップがあるというのだ。カリスマ性の有無はまったく関係がなく、むしろ、謙虚さを持っている。何かがうまくいったとしたら、「それは運が良かったからだ」「部下が頑張ってくれたからだ」と受け止め、逆に、うまくいかなかったときには、「すべて自分の責任だ」と捉える。

著者が40代でこの本を読んだとき、とても勇気づけられたという。もし自分が企業の中でリーダーシップを発揮しなければいけなくなるとすれば、この「第5水準」を目指せばいいのである。以前より著者は中国古典なども読んでおり、東洋哲学の理想とするリーダーというのは、深沈厚重型の静かな闘志を持った人、優れた人格を持った人だった。洋の東西を問わず理想とすべきリーダー像が同じことに、驚いたのだった。

地位は権力ではなく、責任である

部下を100人持てば、その100人の幸せは、自分が握ることになる。動かせるお金もびっくりする金額になっていく。こうしたことについての畏れがなければ、危ない。責任を忘れて権力の誘惑に流されていくと、待ち構えているのは、不祥事や不正、また部下からの信頼を失うなど、悲劇的な結末だけだ。逆にいえば、そうした誘惑に打ち勝つだけの人格や人間性を備えた人だけが、本来は地位を手に入れるべきなのだ。

虚勢は張るな、弱音は吐いてもいい

リーダーの姿勢は、組織にどんどん伝染していく。リーダーがクヨクヨしていたら、みんながクヨクヨしてしまう。だから、大事にしなければならないのは、常に「長期的には何とかなる」と楽観的であることなのだ。

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要約公開日 2015.09.21
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