松下幸之助 パワーワード

強いリーダーをつくる114の金言
未読
松下幸之助 パワーワード
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強いリーダーをつくる114の金言
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松下幸之助 パワーワード
出版社
主婦の友社
出版日
2015年04月01日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

松下幸之助といえば、言わずと知れた「経営の神様」であり、松下電器(現パナソニック)の創業者である。彼がどのように事業を興し、苦労をして同社を発展させたかということについては、今までにも多くの書籍やテレビドラマなどで紹介されて、語った言葉も今までに広く紹介されてきた。この本は、そんな経営の神様の114の金言を、経営コンサルタントである著者の小宮一慶氏が、自分の経験や考えとともに読み解いたもので、今という時代にビジネスマンとして生きる人たちにも、わかりやすい内容になっている。

本書の中には、今までに出合ったことのある松下幸之助の言葉もあるかもしれないが、著者のフィルターを通して、「こんな見方もあるのか」「この言葉にはこんな背景や思いがあったのか」ということがわかり、ひとつひとつの言葉がより多面的に理解できる。また、どれを読んでみても、大切なのに忘れていた基本的なことや、心にスッと落ちるように納得できる言葉が多い。本書の「はじめに」にあるように、松下幸之助自身も、多くの人々の「一言」によって教えられ、支えられてきたという。著者の小宮氏は、松下幸之助の著書『道をひらく』を毎日、就寝前に読んでいるそうだ。本書の114の言葉も、現代に生きる多くの日本人たちを日々、励まし、導いてくれることだろう。

著者

小宮 一慶
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。1981年京都大学法学部卒業後、東京銀行に入行。84年7月から2年間、米国ダートマス大学タック経営大学院に留学。MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の93年夏には、カンボジアPKOに国際監視員として参加。94年5月からは、日本福祉サービス(現セントケア)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96年に小宮コンサルタンツを設立。2014年名古屋大学客員教授に就任。主な著書に『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』『ビジネスマンのための「数字力」養成講座』(以上ディスカヴァー21)『「1秒!」で財務諸表を読む方法』(東洋経済新報社)など。

本書の要点

  • 要点
    1
    境遇を受け入れ、素直に自分の運命と向き合いながら、前向きに対応していく心構えが大切だ。仕事を好きになり、たとえ好きになれなくても、開き直って楽しむほうが仕事ははかどる。
  • 要点
    2
    物事がうまくいかなかったときは、自分自身をしっかり見て、運や他人のせいにしないで反省する。
  • 要点
    3
    成長したい、問題を解決したいと真剣に思うなら、他人の話に耳を傾ける。一流になる人は、現状に満足せず、工夫や改善を続けることができる。
  • 要点
    4
    苦しいときこそ、新しい発想が生まれるチャンスである。
  • 要点
    5
    社長も社員も与えられた役割。それをまっとうすることが大事。

要約

【必読ポイント!】今の自分と境遇を受け入れる

逆境であれ、順境であれ、素直に生きる
Fuse/Thinkstock

「逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きることである。謙虚の心を忘れぬことである」

自分の力で運命を切り開くには、松下幸之助さんが言うように、まず、素直に境遇を受け入れることだ。自分は「今」しかコントロールできない。「過去」は変えられない。他人を変えることもできない。自分を変えるしかないのだ。

その大前提は、今の自分や自分の置かれている境遇を素直に受け入れることであり、「逆境であれ、順境であれ、その与えられた境涯に素直に生きること」が何よりも大切なのである。放っておくと逆境は卑屈を、順境はうぬぼれを生む。運命を素直に受け入れた上で、逆境にあったら卑屈にならず、順境だったらうぬぼれないようにする。いつも素直に自分の運命と向き合いながら、それに前向きに対応していく心構えが大切だ。

しかし、これを実践するのは難しい。人生にはいろんなことが起こるからだ。「朝起きると『今日も素直な心を持ってやらなあかん』と思い、夜になると『今日は素直に過ごせたかどうか』と反省した」と幸之助さんも言っている。おそらく、素直ではないことで苦労もされたのだろう。素直であることを願い続け、反省し続けたからこそ、「素直」さを手に入れることができ、それに前向きに対応することで大成功されたのではないかと思う。

仕事を楽しみ、どっぷりと浸かる

「まず好きになれ。いやいや仕事を続けるよりも、いっそ開き直って、楽しむほうが仕事もはかどる」

幸之助さんは、「仕事にどっぷり浸かる」ことの大切さをよく説いている。懸命に仕事に浸かって自分の道を歩んでいれば、どんな苦境が訪れても必ず先に繋がることを見つけ出せるはずだ。うまくいかない人の大半は、浸かり方が足りないのだ。

仕事のできない人は、決まって中途半端だ。やると決めたら浸かりきらないと成功しない。逆に、それぐらい覚悟を決めてやれば、大抵のことはうまくいく。どんなに不可能に見える場面でも、どっぷり浸かってやっている人は、解決の糸口を見いだすものである。

毅然と間違いを正し、責任は自分でとる

真剣だから本気で怒る
Wavebreakmedia Ltd/Wavebreak Media/Thinkstock

「私は、いつの場面でもきわめて真剣でした。ほめるのも叱るのもとにかく真剣で、自分をそのままさらけ出していました」

仕事や客に対して真剣で熱心であれば、激しく叱らなければならないことも少なくない。相手にも真剣に対している人は、本気で怒れるのだ。怒りや感情をコントロールすることが、成熟した大人であるような風潮があるが、「明治の元勲はよく人前でも泣いた」と東洋哲学の大家・安岡正篤の本にもある。怒るべきときに怒り、毅然と間違いを正すのが本当の成熟であろう。

幸之助さんが怒ると、大の大人が倒れてしまうほどの怖さだったという。昭和25年の経営方針発表会でも、「時には皆さんの行動について激しく批判することもあるかもしれない。激烈な態度、真剣さが姿かたちに表れないと何事も立派に成し遂げることはできない」と述べている。

人徳も地位も高い人が怒ったのであるから、怖かっただろうし、効果もあっただろう。ただ、フォローも忘れず、ひどく叱った部下が帰った後、幸之助さんは、「自殺せーへんかどうか心配やから、後をつけて見てきてくれ」と、別の部下に依頼したこともあったという。

うまくいかない原因は自分にある

「いっさいの責任は我にあり」

経営者は、会社は世の中の公器だと思わないといけない。

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要約公開日 2015.09.25
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