初対面の人に対する評価は、会って1分から4分で決まると言われている。良い印象を与えるためには自分を知ってもらい、距離を縮めるための適度な「自己開示」が必要だが、一方的にしゃべりすぎないよう注意する。
自己開示では、「自慢話はしない」「軽い失敗談を話す」が基本となる。失敗談でも、人間的に疑問を持たれたり、相手が引いてしまったりするようなものは避ける。あくまで、相手が自分にほどよい気安さをもてるように、会話のきっかけになる情報を与えられるように、ということが目的だ。1つのエピソードは30秒から1分以内に短くまとめて、相手に話してもらう時間をつくっていく。
フランス語で擬声語をあらわす「オノマトペ」を使うことは、あたりまえの話をおもしろく、わかりやすく伝えるテクニックの1つである。たとえば、「雨がザーッと降る」というときの「ザーッ」がオノマトペであり、これを活用することで、言葉の勢いやニュアンスが出て、身振り手振りを加えると話に臨場感を与えられる。
また、「一文を短くする」「リズミカルに話す」ことも心がけるとよい。そうすることで、話がわかりやすく、相手の頭に入っていきやすくなる。
こうした話し方は、練習しながら改善していく必要がある。同じ話を3回も練習すれば、それは自分のものになり、慣れて話しやすくなるだろう。
会話には、タテの軸(会話の深さ)とヨコの軸(何を話題にするか)がある。タテ軸が深まると相手との距離を縮めやすい。ヨコ軸展開でさまざまな話題をふりながら、どんな話題で会話が深まるかを探り、相手が話にのってきたら、タテ展開でその話題を深めていく。
最初のきっかけになるような話題は、「気候/相手の会社情報/衣服/ファッション/健康/最近のニュース/共通のこと/出身地/血液型/仕事」のような、誰にでもあてはまるようなあたりさわりのない話題から選ぶとよい。政治や宗教の話題は、雑談ではなく議論に発展してしまう可能性もあるので、雑談の話題としてはふさわしくない。
あたりさわりのない内容から会話のタテ軸を深めていくには、相手が興味を持つようなおもしろい話をすることが重要だ。
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