ロジカルメモ

想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方
未読
ロジカルメモ
ロジカルメモ
想像以上の結果をだし、未来を変えるメモの取り方
未読
ロジカルメモ
出版社
出版日
2020年12月04日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

現代を生きるビジネスパーソンにとって、「考える時間」はとても重要だ。上司に言われた「作業」だけをやればよい時代はとうに過ぎ、自分で考えて行動できる社員が求められる時代である。新たなアイデアを生み出すよう求められることも多い。しかし、実際には会議や作業に追われ、考える時間さえとれない人は多いのではないだろうか。本書『ロジカルメモ』は、そうしたビジネスパーソンにぜひ読んでいただきたい本だ。

ロジカルメモは、大きめのノートを使って実際に文字を書く。それだけ聞くと「文字を書くメモ」は非効率で古臭いやり方だと思うかもしれないが、そうではない。ロジカルメモは単にメモをとるだけではないのだ。たとえば、まずノートの左ページに「会議の内容」をシンプルに書く。そしてノートの右ページに、自分の言葉で言い換えて文章化する。さらに、その中で最も大事だと感じたことを「ふせん」に書き出す。このふせんの内容が、今後考えるべきこと、つまり「思考のコンパス」となる。これを作ることで、重要事項と優先順位が明確化される。

本書では、アイデアを生み出すための10のメモ術、仮説を作る3つのメモ法、結果を出すためのマインドセット、未来を変えるためのメモのやり方など、著者のノウハウや考え方が盛りだくさんに入っている。仕事やコミュニケーションに忙殺されている人、アイデアを生み出せなくて困っている人、考えをまとめる方法を知りたい人、自己肯定感を得たい人などは、本書から大きなヒントを得られるだろう。

著者

村本篤信(むらもと あつのぶ)
ライター、編集者。
1972年大阪府生まれ。都立国立高校、一橋大学社会学部卒業。大日本印刷に入社後、フリーのライター、編集者に転身。主な編集・ライティング担当作は『3000円投資生活』シリーズ(横山光昭)、『今日が人生最後の日だと思って生きなさい』(小澤竹俊)、『疲れをとりたきゃ腎臓をもみなさい』(寺林陽介)、『NOを言える人になる』(鈴木裕介 以上アスコム)ほか手掛けた書籍は累計250万部以上。
また90年代よりホラー系ドラァグクイーン「エスムラルダ」としての活動をはじめ、各種イベントでの司会やドラァグショー、雑誌やWebへのコラム連載、舞台出演、講演会等を行う。2017年には東宝ミュージカル「プリシラ」(宮本亜門 演出)の翻訳を担当し、2018年にはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の主題歌「残酷な天使のテーゼ」などを手掛けた作詞家・及川眠子と作曲家・中崎英也プロデュースのもと、ディーヴァ・ユニット「八方不美人」を結成。「有吉ジャポン」ほかテレビ出演も多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ロジカルメモで用意するものは、大きめのノート、簡単に消せる筆記用具、小さめのふせんの3つだ。ノートの左側にふつうにメモを取り、右側では自分の言葉で文章化する。特に大事なことは「思考のコンパス」としてふせんに書き出す。
  • 要点
    2
    メモからアイデアを生み出すために、打合せの後に「一人会議」をしよう。少し時間を空けて一人で考えることで、思いがけないアイデアが生まれることがある。
  • 要点
    3
    結果を出すためには、あえて働かないという選択も大事だ。
  • 要点
    4
    今やりたいことを見つけるためにも、ロジカルメモは有効だ。

要約

【必読ポイント!】 考える時間が作れない人に

メモには無限の可能性
Ivan Bajic/gettyimages

仕事でも私生活でも「考えること」は多いが、考えることに苦手意識を持つ人、考える時間をとれないという人も多いだろう。自分では考えたつもりでも「何も考えていない」と人に言われたり、考えるのが苦手なせいで余計なことをたくさんしてしまったり。

そうした悩みに対する1つの答えが、ロジカルメモだ。これは、ふだんたくさん書いているメモを活用して、「どれほど忙しくても、やるべきことがパッと整理され、スパッと実行に移せる」ものである。

ロジカルメモの実践に向け用意するものは、「使いやすい大きさのノート」「簡単に消せる筆記用具」「縦1.5センチ×横5センチほどの小さめのふせん」の3つ。ノートに会議や情報をいつものようにメモし、それを元にして「思考のコンパス」を作っていく。手順は次の3ステップだ。まず「ふつうにメモを書く」、そして「自分の言葉で言い換える」、最後に「ふせんに『思考のコンパス』を作る」。「思考のコンパス」ができあがれば、素早く整理して実行に移すことが可能となる。

ふつうのメモこそアイデアの源泉

最初のステップは、いつものようにふつうにメモを書くだけ。このふつうのメモこそがアイデアの源泉になるのだ。人がメモをとる理由は様々だ。備忘、暗記や整理、伝達などメモには多くの役割があり、その中には幅広い情報が含まれている。文字として物理的に残されているので、頭の中の記憶と違って薄れていくことも変容することもない。

ロジカルメモではノートの左側をこの「ふつうのメモ」ゾーンとして、右側を「文章化」ゾーンにする。左側に自分が書きやすい形でとったメモが、思考を深めてアイデアを生むもととなる。得た情報や気付きは幅広くメモをしよう。

それからメモにはゴールを入れるといい。ゴールを設定することで「何を考えるか」と「何をすべきか」が明確になる。

第2ステップでは、ノート右側の「文章化」ゾーンに左側のメモを自分の言葉で言いかえる。情報を整理したり、自分なりに重要だと思った点、わからなかった点、追加で調べたい点などを書いたりするのだ。これは、メモを「自分ごと」にしていく作業でもある。

思考のコンパスでアウトプット
Philip Steury/gettyimages

第1ステップのふつうのメモを、第2ステップで自分の言葉で言い換えたら、第3のステップでは特に大事なことをふせんに書く。このふせんこそがロジカルメモの最も重要なポイントである「思考のコンパス」だ。なぜなら、それまでに得た情報の中でも最も大事であり、今後考えるべきことが明確に書かれているからだ。人は複数のテーマについて高レベルで思考し続けることは難しく、優先度の高い順に進めるしかない。思考のコンパスを作ることは、自分がやるべき、考えるべきことを絞り込むことなのだ。

打ち合わせや会議でメモをとった後は、ステップ2からステップ3までその日の内に取り組もう。内容を忘れる前に自分の言葉にして、思考のコンパスをつくるというアウトプットまで行うことで、情報が自分ごとになって記憶に残りやすくなるからだ。

10のメモ術でアイデアを生む

第2の脳で覚えておく

アイデアは「自分ごと」から生まれるものだ。ロジカルメモで他人ごとを自分ごと化し、思考のコンパスで明確化すれば、誰もがアイデアマンになれるだろう。そのためには自分が理解、納得し、楽しくなるまでメモを書き続けることだ。そうすれば、メモは「第2の脳」として働きだす。自分が忘れてもメモが覚えているからだ。

また、アイデアの源泉は「人に伝えたい」という思いである。誰かに喜んでほしいという思いがなく、仕事をやらされている状態ではアイデアは生まれにくい。ロジカルメモは、伝えたい思いを形にして残すツールでもある。

一人会議でアイデアを生む

会議や取材の後に30分程度の「一人会議」を行うと、メモの内容を自分の言葉でまとめ、新しい価値や感動を確認し、記憶が新しい状態で効率よく情報を整理できる。だから、スケジュールは打合せと一人会議をセットで組む。

アイデアを生みだすための一人会議でのポイントは2つだ。

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要約公開日 2021.01.25
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