ヘッドハンターだけが知っている プロ経営者の仕事術

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出版社
出版日
2015年11月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

LIXILの藤森義明氏やサントリーの新浪剛史氏。グローバル競争へ乗り出す日本企業の舵取り役として、現在、プロ経営者に大きな期待が寄せられている。プロ経営者とは、豊かな人間性と経営を行う知識・技能を身につけ、常に改革者として結果を出し続けるリーダーのプロである。

本書では、2000人以上のエグゼクティブを見定めてきたカリスマヘッドハンターである著者が、時代を先取りしてきたプロ経営者たちの生き方やリーダーシップの取り方、仕事術を余すことなく紹介する。プロ経営者にふさわしい人材は、企業内の上位5%にあたるビジネスリーダーである。著者によると、残り95%の人々を幸せにするべく、逆三角形のピラミッドの底の部分を支えるのが、真のビジネスリーダーになりうるという。

この本では、こうしたリーダー像を思い描き、プロ経営者を志す読者に向けて、日本企業の人材育成の現状をはじめ、日本独自のリーダーの条件、年代別に身につけておくべき力と心得が、刺激的な具体例とともに紹介されている。例えば、「なぜ転職経験者の方が優秀なのか」「40歳で求められる発想のコペルニクス的転回」といった興味深い内容が満載だ。

人材の目利きならではの着眼点や人材育成に対する考えが詰まった本書は、絶えず成長し、市場価値を高めていきたいと考えるビジネスパーソンにとって、多くの示唆を与えてくれるだろう。

ライター画像
松尾美里

著者

古田 英明(ふるた・ひであき)
縄文アソシエイツ株式会社代表取締役。
1953年生まれ。1976年に東京大学経済学部卒業。神戸製鋼所で、東南アジア、中近東等での企画・販売業務に携わる。野村證券では、資本市場部、営業企画部で引き受けおよび企画業務などを担当。1996年4月に日本初となるエグゼクティブサーチ会社「縄文アソシエイツ」を設立。AMROPボードメンバー。「ひとつの会社の終身雇用から、ひとつの社会の終身雇用へ」という理念のもと、様々な活動を行なっている。

執筆協力
古田 直裕(ふるた・なおひろ)
縄文アソシエイツ株式会社コンサルタント。立教大学理学部卒業。カーネギーメロン大学経営大学院修了(MBA)。巴川製紙所での勤務を経て、グレンジャーでは、中国・インドでの拡販や、モノタロウの海外事業を支援。

本書の要点

  • 要点
    1
    プロ経営者候補は「上位5%のビジネスパーソン」である。確固とした仕事哲学や職業観、豊かな人間性、ビジネスの知識と技術を持ち、自分が働くことで残りの95%を幸せにするリーダーでなくてはならない。
  • 要点
    2
    タフなビジネスリーダーを育てる「辺境」と呼ぶべき部門や子会社、支社が日本企業からなくなった現在、世界のライバルと競争できるリーダーを育成するには、ASEANやインド、中国を活用することが重要だ。
  • 要点
    3
    プロ経営者をめざす人は、40歳の時点で劇的な発想の転換が必要となる。

要約

【必読ポイント!】 プロ経営者はこうして生まれる

プロ経営者の候補が育たなくなった日本

30代、40代で会社の外部に飛び出して活躍したいと考える人材が増えている。関連会社で経営手腕を磨き、プロ経営者としてスカウトされるのを待つケースもあれば、外資系企業へ転職してチャンスを狙うケースもある。

一方、サントリーや資生堂などの歴史ある大企業が経営トップに外部の人材を据える現状は、大企業が社内でプロ経営者の候補となるリーダーを育てる能力を失いつつあることを意味している。日本全体で、ビジネスリーダーが圧倒的に不足しているのだ。

経営幹部となるエグゼクティブ層のスカウトを行ってきた著者によると、プロ経営者の候補は「上位5%のビジネスパーソン」である。彼らは確固とした仕事哲学や職業観、豊かな人間性、ビジネスの知識と技術を持っている。そして、ピラミッドの頂点に立って人を動かすのではなく、「傍を楽にする」という信念を持って、自分が働くことで残りの95%を幸せにするリーダーにこそ、プロ経営者をめざす資格があるといえる。

不死身の男は「辺境」で育つ
©iStock.com/Aslan Alphan

日本企業で経営者に値する人材を育てられなくなった主な理由は、タフなビジネスリーダーを育てる「辺境」と呼ぶべき部門や子会社、支社が日本企業からなくなったからである。見どころのあるビジネスリーダーの多くは、「いつ潰されるかわからない」という危機感のもと、厳しい仕事を任される非エリートコースを歩んできた人物である。激戦を切り抜けるうちに鍛え上げられ、エリートコースまっしぐらのリーダーを凌ぐ「不死身の男」になるのだ。

今後ビジネスリーダーを育成するには、リーダー候補をASEANやインド、中国を含めたアジアに派遣することを著者はすすめている。中でもASEAN市場ではグローバル企業に勤める一流のビジネスパーソンがしのぎを削っているため、彼らと競い合うことは良き刺激となる。また、ASEANの支店では、かなり大規模なビジネスを自己裁量で進められるチャンスが多い。

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要約公開日 2016.02.09
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