あなたは、どんなときに部下を叱っているだろうか。叱るとき、頭の中にはどんなことが思い浮かんでいるだろうか。「部下のミスによって自分が困る」「自分に不利益が生じる」という思いからついきつく叱ってしまった、という経験もあるかもしれない。しかしその思いは必ず部下に伝わる。「自分が困るから」という理由で叱っていては、本心を見抜かれて部下は離れていくだろう。叱るということは、相手の成長を願い、未来を変えるための前向きな対話でなければならないのだ。
叱る場面では、自分も感情的になってしまうこともあるだろうが、そこは一呼吸おいてほしい。感情をただぶつけたり、いつまでもしつこく叱ったりしてはいけない。「お前はダメだ」と人格を否定するような叱り方は論外だ。存在や能力、この先の成長の可能性やバックグラウンドまでを否定する叱り方をしてしまう人もいるが、それでは部下は傷つくだけだ。あくまで部下の「どんな行動を改めなければいけないのか」にフォーカスしよう。叱るとは、部下の人格を変えることではなく、行動の改善を促すものなのだ。
叱るときには、叱る側にも不安な気持ちがよぎることがあるだろう。しかし日ごろから信頼関係を築いていれば、人は素直に話を聞けるものである。叱った後のことを心配するより、日ごろからのコミュニケーションを大切にしよう。その上で、愛情をもって、自分の気持ちも正直に話しながら叱れば、きっと相手に伝わるはずである。
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