言葉というのは、表現を少し変えただけで印象がずいぶんと変わることがある。「絶対達成」という言葉がその一例だ。
「目標を達成する」というフレーズを「目標を絶対達成する」と言いかえたとたん、反発を感じる人がいる。だが、「達成」という言葉に「絶対」がついたからといって、本質的な意味が変わるわけではない。「明日、10時にお客様のところへ遅刻せずに行けよ」と言われるのと、「明日、10時にお客様のところへ絶対に遅刻せずに行けよ」と言われるのと、何か違いがあるだろうか。おそらく多くの人はどちらも同じ意味として受けとるだろう。
「目標を達成する」と「目標を絶対達成する」という表現は同じ意味である。にもかかわらず、上司から「目標を絶対達成しろ」と言われて厳しいと感じたり、「目標はあくまでも目標であって、達成できないこともある」などと言ったりする人は、口では「目標を達成しなければならない」と言っていても、実のところその気がないのだ。
どんなにノウハウを知っても、正しいマインドセットができていなければ、目標を達成することなどできない。
絶対達成というのは、目標をあたりまえのようにクリアし続けることをいう。「前月と比べて今月はよくなった」「目標にかなり近づいた」というのではいけない。「最低でも目標達成」、これが絶対達成の定義だ。
食事のあとに歯を磨くこと。朝起きて時間どおりに出社すること。お客様のところへ遅刻せずに行くこと。多くの人にとってこれらの行動は「あたりまえ」であり、実際そのとおりに行動して実現している。
絶対達成もそれと同じである。目標をクリアすることを「あたりまえ」と感じ、それを実行し実現する。そこには、やる気やモチベーション、意気ごみなどはまったく必要ない。歯を磨くのにやる気やモチベーションが必要ないのと同様に。
「目標達成はあたりまえ」という絶対達成マインドをひとたび身につければ、どんなことでも「あたりまえ」のようにできる思考習慣と行動習慣が手に入る。
とはいえ、思考や習慣というのは長い年月をかけて定着するものである。それらを変えるためには、「インパクトの強さ」と「回数」が必要になってくる。
たとえば、転職先の会社の風土が「目標達成はあたりまえ」というものであったとする。そうでない組織風土で育った人にとって、それは強いインパクトとなるため、思考や習慣を変えるきっかけになるかもしれない。
しかし、誰もがすぐに転職できるわけではないし、転職したからといって新しい会社の風土に強いインパクトを受けるとはかぎらない。そこで重要になってくるのが「回数」だ。
新たな行動をスタートさせるために、まずは「やろう」「動き出そう」と意識する回数を増やす。インパクトは弱くてもいい。思いたったときから毎日のように意識しよう。そうして回数を重ねることで、思考のクセがメンテナンスされ、脳のプログラムが書きかえられていくのである。
どのような業界でも、またどのような商材でも、再現性のある結果を手にいれるには、「大ざっぱに数字でとらえる」という感覚が不可欠だ。そのために営業は、
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