ビジネスを築き上げる技術のなかで、もっとも重要なもののひとつが「差別化」だ。どんな分野であろうが、競合他社とはまったく違う何かを提供しなければならない。そのためにはまず、自分のビジネスが提供している、もっとも個性的で人を惹きつけるものを特定する必要がある。もしまったく思い浮かばないようであれば、それはUSPが定義されていないということだ。
USPとは「Unique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)」の略である。ビジネスにおいて大切なのは、価値があり、効果の期待できるUSPをひとつにしぼることだ。それは専門知識や技術かもしれないし、コストの面かもしれない。あるいは、時間を売りにすることもあるだろう。
いずれにせよ、成功をつかむためには、自分たちのもつ大きな強みをひとつ、明確に打ち出さなければならない。
USPを定義したら、次は実践に移す番だ。名刺やメールの署名、会社のウェブサイトなど、書けるところすべてにUSPを表示しよう。見やすければ見やすいほど、多くの人の目に留まる。何度も見せることで、その言葉に隠されたメッセージに耳を傾けさせるのだ。
このとき、USPに「品質」のような漠然とした言葉を使ってはならない。ありきたりでつまらない表現を避け、特異的かつめりはりの効いたものをつくるべきだ。当然、嘘いつわりを並べるのは禁物である。現実的な範囲で、具体的な価値を提供するよう努めなければならない。
ビジネスをもっとも早く成長させる方法は、既存のクライアントを活用することだ。既存のクライアントに継続的に力を注ぐほうが、新規のクライアントを獲得するよりもずっとコストを低く抑えられるのは明白である。
だが、それにもかかわらず、既存のクライアントリストを掘りおこす重要性に気づいていない人がほとんどだ。現在抱えているクライアントこそが、あなたにとって最大の価値をもつ事業資産だと心得るべきである。
既存のクライアントとのビジネスを拡大する簡単な方法は、
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