人生における「エクセレンスの追求」とは、めざすものを最高の形で手に入れるために、自分の可能性を最大限に発揮することであり、個人の満足度を高める近道でもある。とはいえ、そう言われても抽象的で、どう一歩を踏み出せばよいのかわからないだろう。しかし、誰でも多かれ少なかれ、夢や希望、目標を持ち、それらを叶えられれば素晴らしいと思っているにちがいない。そんな私たちのために、著者が伝授する秘訣のいくつかを紹介する。
何よりも重要なのは、達成したいことが明確であること、達成への強い願望があることである。明確なゴールがあれば、そこから逆算して、そこにたどり着くのに最適な方向性や道程を計画できるからだ。著者はこれを「エクセレンス・マップ」と呼んでいる。
ゴールは短期間の単位で設定した方が効果的である。6か月以上をゴールにすると、目標がぼやけ、実現可能な目標であると感じられにくくなってしまう。かわりに短期目標を掲げれば、フィードバックをすばやく得られるので、軌道修正の機会も多く生まれる。
何より、短期的なゴールは壮大なゴールをめざすのに伴うストレスを軽減してくれる。ミニ・ゴールを積み重ねて、結果的に長期目標を達成するというアプローチがより現実的だ。
私たちの多くは、長期間で達成可能なものを過大評価し、短期間で達成可能なものを過少評価する傾向にある。しかし、ゴールに辿りつくには、小さな一歩が重要なのは言うまでもない。その行動を続けられるかがカギとなる。エクセレンスの追求を日々の習慣に変えれば、続けることが次第に楽になっていく。
また、習慣化の過程では完璧を求めない方がよい。完璧であろうとすることで、自分の成長を妨げてしまい、不完全性をいっそう強調してしまうからだ。小さな失敗は、生涯をかけた目標の追求という観点から見ると、取るに足りないものである。
強く信じたり、願ったりしたことが実際に起こるという「引き寄せの法則」を信じている人は多いが、必ずそうなるという根拠はない。もしもこの法則が働くのであれば、誰もが宝くじに当選するだろう。ただ、言えることは、心の中で強く思うことは、私たちの目を通して見る世界と重なるということだ。例えば、黄色が「今、一番大切な色」だと思い込んだ状態で周りを見渡すと、どんなに小さくても黄色のものが目に飛び込んでくる。それはまるで脳の検索エンジンのようなものである。
著者は「認識がすべて」だと強調している。身の回りで起こることを、どのように感じ、受け止めるかが、その後の行く末に大きく影響する。私たちは多くのチャンスを見過ごしていることに気づいていない。チャンスは、見慣れないうえに厳しい様相を呈しているので、私たちは恐怖感を抱き、尻込みしてしまう。しかし、このような状況に遭遇した時、大きなチャンスが潜んでいると考えれば、良い結果に結びつきやすくなるはずだ。
では、チャンスをぐっと引き寄せる方法はあるのだろうか。
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