自分を成長させる 最強の学び方

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出版社
総合法令出版

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出版日
2017年04月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

学生の頃、授業中にふと「これは、将来いったい何の役に立つのだろう?」と思ったことはないだろうか。一度この疑問に取りつかれてしまうと、無視できるようになるまで集中力が落ちてしまう。しかし、社会生活を通して、学びの意義深さを感じている方は少なくないであろう。

本書は、現代において生涯学び続けることの意義を説き、MOOC(ムーク)やgacco(ガッコ)といった、最先端の学びのプラットフォームを紹介する一冊である。どちらも、オンライン上で無料で講義を受けられる仕組みである。MOOCは世界の有名大学の講座を受けられるプラットフォームで、著者はその日本版といえるgaccoを立ち上げた人物である。

今や知識は自分のやる気次第で手に入る時代である。喜ばしいことに違いないが、モチベーションを維持し続けなければ後続のものにすぐ追い抜かされてしまう可能性もある。さらにいえば、後続のものが人間だとは限らない。囲碁や将棋の世界で見られるように、超高速で日々進化するAIかもしれないのだ。

本書には、学んだことがキャリアや人生にどのように活きたかという実例が多々紹介されている。これからの時代、豊かな人生を送るためには、これまで以上に学び続けることの重要性が増していることが実感できるだろう。年代、役職問わず、多くの方におすすめの一冊だ。

著者

伊能 美和子 (いよく みわこ)
株式会社ドコモgacco(ガッコ)代表取締役社長
国際基督教大学卒業後、NTT入社。
企業内起業家として、メディアコンテンツ領域の新事業開発に従事。NTT研究所開発技術を活用し、音楽の著作権処理フローの大変革を実現。
また、デジタルサイネージの事業化を推進する傍ら業界団体を設立する。
日本初のMOOC(大規模公開オンライン講座)サービス、「gacco」を立ち上げ、同サービスの運営会社、株式会社ドコモgacco代表取締役社長に就任。
一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム専務理事。
政府有識者会議の委員などを歴任。
講演多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    AIの進化により、近い将来には今ある職業の半分がなくなると言われている。AIを知り、自分を知り、人間らしく夢を実現していくためは、人生を通した学び続けることが大切である。
  • 要点
    2
    費用、時間、モチベーションの低下などのハードルを越えて学び続けるためには、教材や講義を無償提供するサービス、「オープン・エデュケーション」を利用するとよい。世界の有名大学が講座を開設しているMOOC、その日本版のプラットフォームといえるgaccoなどがある。

要約

学びの重要性と、その本質

今こそ、人生を通した学びを
designer491/iStock/Thinkstock

技術革新により、AIが登場し、進化を続けている。人間の成長スピードを上回ってアップデートしているAIと共存するためには、AIを知り、自分を知り、人間らしく夢を実現していかなければならない。そのためには、継続的な「人生を通した学び=Lifelong Learning」が大切である。

しかし残念ながら、日本ではまだ、「人生を通した学び」は一般的であるとはいえない。OECD各国における25歳以上の大学への入学割合についてのデータによると、アイルランド、ニュージーランド、スウェーデンがそれぞれ32%、27.7%、25.9%という数字で上位を占めている。一方、日本の25歳以上の大学入学割合は、1.9%に過ぎない。

さらに、日本で「人生を通した学び」というと、趣味的な勉強のイメージが強いかもしれないが、生きていく上で必要になる実学を学んでいくことも、これまで以上に必要となっているのだ。

『学問のすすめ』にみる学びの本質

「学ぶ」とは、そもそもどういうことだろうか。

学びの本質について、著者は福沢諭吉の『学問のすすめ』を参照している。『学問のすすめ』が書かれた明治維新前後の情勢は、現代社会の情勢とどこか重なるからだ。『学問のすすめ』には、実生活、経済、世の流れを察知すること、どれもが「学問」であると書かれている。先の見えない激動の時代に生きたからこそ、福沢は、自分のすべきことを見極め、他者と関わりながら平和な世の中をつくり、幸せな生活を送ることが学問の目的だと述べた。

また、そのような「実学」以外に、いわゆる「教養」も大切である。

著者は海外で行われたミーティングに出席した際、外国のビジネスマンから日本の文化や歴史について訊かれことがあった。英語の能力以前に、著者が知らないことや考えたこともないことを質問されてしまい、冷や汗をかいた。つまり、自分の国のことを語れなければ、優秀なビジネスパーソンとみなされないということである。教養もしっかり身につけることが、本来の意味での「実学」を学ぶことであり、広い視野やクリエイティビティを養うことであるのだ。

【必読ポイント!】「何を」「どう」学ぶのか

AIがもたらす未来
monsitj/iStock/Thinkstock

『学問のすすめ』が書かれた明治時代に突如やってきた黒船のように、私たちの生活はAIに代表される技術によって激変しようとしている。

Googleの創業者ラリー・ペイジは、近い将来、10人中9人は今とは違う仕事をする時代が訪れるだろうと述べた。

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要約公開日 2017.09.26
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