自分であたりまえだと思っていること、会社や社会であたりまえだとされていることの間に、ギャップが生じると大きな歪みが生じてしまう。情報が溢れる現代において、何を信じるか自分で責任を持って判断することが重要である。そのための判断軸を、本書では「あたりまえの基準」と呼ぶ。
あたりまえの基準が高ければ、自分・会社・社会のあたりまえの基準が異なっていようとも、悩んだりストレスを抱えたりすることもない。あたりまえの基準とは「これが普通」と無意識に判断するものさしである。
あたりまえの基準の高さは、どれだけ多く、良質の参考材料に触れたかどうかに依存する。この参考材料には知識だけでなく体験も含まれている。新しい知識や体験のあと、そして新しい目標を達成したあとは参考材料が増える。こうして参考材料をもとに行動したあとはさらに良い参考材料を得られるのである。
参考材料を増やすには、いろいろな体験をすることが重要であり、最初のうちは「量」を追求すべきである。多くの体験をすることで、比較検討するサンプルを増やすことができるからだ。そうすれば、どういう参考材料の「質」が高いかを理解できるようになり、あたりまえの基準がより磨かれていく。
所属している組織のあたりまえの基準を知るためには、社内で積極的にコミュニケーションをとることが役に立つ。一方で、一般社会のあたりまえの基準を知るには、他の会社の人との交流がキーとなる。
自分のあたりまえの基準を高めるのに一番手っ取り早いのは本だ。著者は「水平読書」を薦めている。水平読書とは、同じテーマの本を5~10冊ほど並べて、そのテーマに関する箇所だけを読んでいく方法である。
3,400冊以上の要約が楽しめる