モバイルボヘミアン

旅するように働き、生きるには
未読
モバイルボヘミアン
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旅するように働き、生きるには
未読
モバイルボヘミアン
出版社
出版日
2017年04月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
3.5
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

仕事とプライベートの垣根を設けない。仕事ではなく、自分のやりたいことを軸に住む場所を選び、やりたいことをやる。そんな生活に憧れるのなら、本書を読まない手はない。

著者の本田直之氏と四角大輔氏は、それぞれハワイとニュージーランドに拠点を置き、日本や世界を行き来している。まさに、自由な生き方の先駆者といえる。そんな二人が、旅するように自由に働き、暮らす「モバイルボヘミアン」という生き方について語り尽くした一冊が本書だ。会社に縛られず、好きなことをビジネスに変えるための具体的な方法、実現のためのツールが余すことなく紹介されている。

テクノロジーの進歩により、人は働く時間と場所から解放された。かつてはオフィスでしかできなかった仕事も、今では世界のどこにいてもできるようになりつつある。働き方や生き方を自由にデザインできる時代が到来したのだ。しかも、誰もがスマートフォンを手にした現代は、「モバイルボヘミアン」を実践しやすい時代だという。これからは、会社に頼らず「個人」として働くことが、より一般的になっていく。

もちろん、著者たちが提唱する生き方を、そのまま真似する必要はない。「どのように生きたいか」は十人十色だからだ。「働き方改革」が叫ばれる現代、本書は現時点の制約を取り払い、自分が本当にやりたいことや、理想の生き方と向き合うきっかけになるだろう。これを機に、自分オリジナルの生き方をデザインしてみてはいかがだろうか。

ライター画像
池田明季哉

著者

本田 直之(ほんだ なおゆき)
レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役としてJASDAQ上場に導く。現在は、日米のベンチャー企業への投資育成事業を行う。ハワイ、東京に拠点を構え、年の5ヶ月をハワイ、3ヶ月を東京、2ヶ月を日本の地域、2ヶ月をヨーロッパを中心にオセアニア・アジア等の国々を旅しながら、仕事と遊びの垣根のないライフスタイルを送る。これまで訪れた国は55ヶ国を超える。著書に、レバレッジシリーズをはじめ、『脱東京 仕事と遊びの垣根をなくす、新しい移住』等があり、著書累計290万部を突破し、韓国・台湾・中国で翻訳版も発売。

四角 大輔(よすみ だいすけ)
「人は誰もがアーティスト」というメッセージを掲げ、オルタナティブな生き方を提唱する執筆家。ニュージーランドの湖で半自給自足の“森の生活”を営み、年の半分は世界で“移動生活”を送る。アーティスト育成とフライフィッシング冒険をライフワークとし、Instagram、公式メディア〈4dsk.co〉、『ソトコト』、『PEAKS』、『Mac Fan』の連載を通して表現活動を続けながら、企業の役員やアドバイザー、複数のブランドのクリエイティブワークを行う。著書に『自由であり続けるために20代で捨てるべき50のこと』、『The Journey 自分の生き方をつくる原体験の旅』など。レコード会社プロデューサー時代に、7度のミリオンヒットを記録。
会員制コミュニティ〈Lifestyle Design Camp〉主宰/Lake Edge Nomad Ltd. 代表取締役/OSIRO株式会社 共同代表/一般社団法人 the Organic 共同代表

本書の要点

  • 要点
    1
    「モバイルボヘミアン」とは「旅するように自由に働き、暮らす」生き方である。テクノロジーの進歩により、時間や場所に縛られず仕事ができるようになった現代では、会社に縛られる必要はない。
  • 要点
    2
    住む場所を選ぶときの基準は、仕事や職場ではなく、自分の希望するライフスタイルになっていく。
  • 要点
    3
    遊びと仕事の垣根をなくし、好きなことを突き詰めることで、仕事のチャンスが生まれる。
  • 要点
    4
    飛びぬけた専門性がなくとも、スキルを掛け合わせることで、独自の価値を築ける。

要約

旅するように生きること

なぜ今「モバイルボヘミアン」なのか?

著者二人は「モバイルボヘミアン」という生き方を提唱している。「モバイル」とは「動ける、移動型の」という意味があり、「ボヘミアン」とは「古い慣習にとらわれない人、自由奔放に生きている人」のことだ。これらの意味をもとに、モバイルボヘミアンは、旅するように働き、暮らす、自由な生き方を指す。

特徴的なのは、自分の好きなことをライフスタイルの中心に据えることである。仕事と遊びの垣根をなくし、自分らしくいられる時間をできるだけ長くもつことをめざす。同時に、モバイルボヘミアンは、仕事、表現、生活のクオリティを極限まで引き上げるための考え方とも言える。

時間は有限である。仕事が忙しすぎて自分の時間がない、というのは本末転倒だ。好きなことを仕事につなげ、好きな場所で仕事をすることで、自分の「自由な時間」が取り戻せるだろう。

誰かの真似ではなく、自分で生き方を考える

もちろん、著者二人は「モバイルボヘミアン」という生き方を忠実に真似する必要はないと述べている。モバイルボヘミアンは自由に生きるための方法の1つであり、万人に通用する絶対的な解ではない。ここで著者たちが言いたいのは、従来の働き方から解放され、自由に生きることが可能であり、それは人々が思っているよりも難しくないということだ。

重要なのは、「やりたいことを自由にやる生き方」を自ら考え、選ぶことだ。現代は昔に比べて多くのことが可能になった。これからの10年は、さらに大きな変化があるかもしれない。

今この瞬間に「できる・できない」はそれほど重要ではない。将来自分がどう生きていたいのかを考えるよう、著者たちは提案する。

私たちは時間と場所から解放されている
shironosov/iStock/Thinkstock

iPhoneやMacBookにインターネット。こうしたモバイルテクノロジーによって、私たちは「時間」「場所」「会社」「収入源」という4つの制約から解放された。

これまで働く場所は、会社という決まった場に限られていた。しかし、スマートフォンの普及によってどこでも仕事ができるようになった。次に、解放されたのは時間だ。スマートフォンがあれば、パソコンの前で一定時間過ごさなくても、スキマ時間に仕事ができる。

場所と時間から解放されると、今度は個人が「会社」から解放される。オフィスも固定されたチームも不要となり、会社というあり方自体が流動的になっていく。今後は、経営者が社員を雇わなくてもいい時代が来るかもしれない。そのときどきで必要な人材を集めて、プロジェクトごとに協力していけばいい。すると、個人が会社に所属する必要はなくなるのだ。

モバイルスピリットで生きる

時間、場所、会社から解放されると、人々は「1つの収入源」からも解放される。1社にしか所属していなければ、当然収入源は1つだけだ。しかし、働く人が会社から解放されると、個人が複数の顧客を相手に仕事を手がけて、複数の収入源を確保できるようになる。

しかも、現在はモバイルテクノロジーを使えば、誰でも気軽に稼ぐことができる。会社員がスキマ時間に収入を得ることはすでに当たり前のこととなりつつある。現に政府も、「正社員の副業を容認する」という流れを後押ししている。副業はやがて、単純に小遣いを稼ぐといった「副」ではなく、複数の「複」業になっていくだろう。

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要約公開日 2017.12.03
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