本書は働く女性のニーズに合わせたコツを「スピードアップのコツ」、「教えるコツ」、「人間関係のコツ」、「ストレスに負けないコツ」の4章に分けて紹介している。全部で47あるコツは、いずれも実践的なものばかりで、取り入れればすぐに効果が出るものばかりだ。
ハイライトではこのなかからいくつかを取り上げたい。
まず本書に紹介されているコツは、「行動」を変えてこそ、「結果」が変わる、というものだ。
仕事の悩みのほとんどは「良い結果」を出せれば解決できるものだ。上司からは評価され、部下もついてくるだろう。自身のモチベーションも高く保つことができ、毎日の仕事にもハリが出るはずだ。結果的に報酬も増やすことができる。
それゆえに、自分の仕事に自信や満足感を持てないでいる場合にまずすべきことは、「結果」を出せる人になることである。では、結果を出すためにはどうすれば良いのだろうか。
行動科学マネジメントを確立した石田氏は、仕事で結果が出ない理由は、「行動」が間違っているという一点に尽きる、と断言する。すべての結果は行動の連続によって生まれる。とくに仕事における「成果」は、「行動の集積」そのものなのだ。
したがって、仕事の成果をあげたいのであれば、結果にいたる「行動」を変える必要がある。まずは自分がとっている「行動」を客観的に見直すことが重要だ。
あなたがとっている「行動」の中に、客観的に見てどれだけ「望ましい行動」が含まれているだろうか。
例えば、「社内で企画が通る」という「良い結果」を導くためには、誰が見ても理解できるような「企画書」を作成する、発案した商品が売れると予測できる「データ」を揃える、決定権を持つ「上司」に前もって説明しておく、といった外すことのできない「行動」がいくつか存在する。
こうした「結果に直結する重要な行動」のことを、「ピンポイント行動」と呼ぶ。どんな仕事においても、「ピンポイント行動」がとれていれば、誰でも必ず「結果」を出すことができるのだ。
逆に「成果」をあげられない人は、「結果につながらない行動」をとってしまっている。「ピンポイント行動」を見つけ出し、そこに時間やパワーをかけることが、「良い結果」を出すためのカギなのである。
「結果につながる行動」を確実にこなすために必要なのが、「やるべき行動」の内容を、できるだけ「具体的な言葉」で表現することだ。
これまで何度か英会話の勉強や、ダイエットなどの目標を立てたものの、目標倒れになってしまっている人も多いのではないだろうか。それらの失敗の原因は「意志の弱さ」ではなく、実はやるべき行動が曖昧だったからなのである。
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