医者が教える食事術 最強の教科書

20万人を診て分かった医学的に正しい食べ方68
未読
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20万人を診て分かった医学的に正しい食べ方68
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医者が教える食事術 最強の教科書
出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2017年09月21日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

糖尿病専門医として延べ20万人を診てきた著者は、患者の多くを占める働き盛りのビジネスパーソンが、誤った認識に基づいて食生活を送っていることに警鐘を鳴らす。世間の俗説や流行によって、健康に気をつけているつもりの人でも、かえって体に悪いことをしているというのだ。

人間の消化・吸収のシステムである「生化学」を学んだ著者は、人間の病気や不調の9割以上は血糖値の問題であると指摘する。血糖値さえコントロールすれば、糖質によって引き起こされる「肥満・老化・病気」という悪循環を断ち切ることができるという。本書では、次々に更新される医学の通説が、信頼のおける最新の医学的研究を用いて正しく批判・解説される。読者は肥満や病気のメカニズムを理解することで、流行に流されることのない正しい知識を得ることができるだろう。

正しい知識による食事は、病気や不調から身を守るだけでなく、普段の生活のパフォーマンスを上げるためにも欠かせないものである。自分に合うかどうかわからない健康法を端から試すより、根拠が明確な理論を実践するほうがはるかに効果的であるのは間違いない。この本は、健康上の不調や肥満に悩む、30代から40代男性の救世主となりうる。「結局、食事について何が正しい情報なのかわからない」「健康に悪いのはわかっちゃいるけどやめられない」という働き盛りの読者は、この本を頼りにまず自分の生活を見直すことをおすすめしたい。

ライター画像
菅谷真帆子

著者

牧田 善二
AGE牧田クリニック院長。糖尿病専門医。医学博士。
1979年、北海道大学医学部卒業。ニューヨークのロックフェラー大学医生化学講座などで、糖尿病合併症の原因として注目されているAGEの研究を約5年間行う。1996年より北海道大学医学部講師。2000年より久留米大学医学部教授。2003年より、糖尿病をはじめとする生活習慣病、肥満治療のための「AGE牧田クリニック」を東京・銀座で開業し、延べ20万人以上の患者を診ている。
著書に『糖質オフのやせる作りおき』『糖質オフ!でやせるレシピ』『糖尿病専門医にまかせなさい』『糖尿病で死ぬ人、生きる人』『日本人の9割が誤解している糖質制限』『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい』『人間ドックの9割は間違い』他、多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    血糖値をコントロールできるかどうかが、「肥満・老化・病気」のすべてにおいてカギとなる。
  • 要点
    2
    現代社会では見えない糖質があふれ、糖質中毒に陥りやすい。私たちが本来もつ消化・吸収システムに沿った食べ物を選ぶべきだ。
  • 要点
    3
    体の不調は、血糖値の急激なアップダウンによって引き起こされる。糖質制限を心がけ、食べる順番や満腹度、化学物質の有無などに気を配れば、健康は維持できる。

要約

【必読ポイント!】 糖質のコントロールが最大のカギ

液体で摂取するのがもっとも危険

コーヒー飲料や健康ドリンクなどの清涼飲料水には、とても多くの砂糖が含まれている。これは誰もが知る事実である。健康な人間の血液中に存在するブドウ糖は4グラム前後だ。だが清涼飲料水のなかには、それをはるかに上回る糖質が含まれている。大量の糖質が液体として急に体内へとりこまれると、体が変化に対応できず、血糖値は急上昇してしまう。血糖値が高い状態は肥満につながる。さらには脳疾患や心疾患、がんなどの病気を招きかねない。

健康のカギは、血糖値のコントロールにある。血糖値を引き上げるのは糖質だ。糖質はごはんやパン、お菓子などに含まれる。なかでも清涼飲料水などの液体で摂取した場合、胃での消化に時間がかからず、血糖値が一気に上がってしまうので危険だ。

「糖質中毒」の恐怖
OcusFocus/iStock/Thinkstock

血糖値が上がると脳内物質が分泌され、一時的に「至福点」(ハイな状態)に達する。しかし体内の変化を察した膵臓が大量のインスリンを放出すると、今度は血糖値が急激に下がり、イライラなどの不快な症状が出る。こうした血糖値の急激な低下による不快な症状を「反応性低血糖」という。疲れやすさ、眠気、集中力が続かないなど、さまざまな症状がこれに当てはまる。そしてハイな状態に戻るために糖質を繰り返し摂取すると、体は「糖質中毒」に陥ってしまう。

清涼飲料水などをつくる食品メーカーは、どのくらいの糖質を入れれば至福点に達するかを計算して製品をつくっている。オーストラリアでヒットしたドキュメンタリー映画『あまくない砂糖の話』で描かれたように、一見するとヘルシーで、「健康にいい」「パワーが出る」といったうたい文句で売られる製品のなかにも、砂糖はたくさん含まれている。こうしたものに対しても、十分な注意を払わなければならない。

DNAに忠実な食事をとろう

私たちは太古の昔から、飢えないための脳のプログラムを引き継いでいる。糖質をとるのは、食べ物が摂取できない場合に備えてエネルギーを蓄えるためだ。

しかし飢えることが少ない現代で、体の求めに従って糖質を取りつづけても、糖質中毒になるのがオチである。そうした事態を防ぐには、私たちに本来そなわっている消化・吸収の仕組みどおりに、食べ物を選ぶことが肝要である。

狩猟採集によって食べ物を得ていた縄文時代は、約1万2000年以上の長きにわたって続いた。これは水稲耕作をはじめてからの時代よりも長い。国立科学博物館の神澤秀明氏らの研究によると、いまの日本人は縄文人のDNAを強く受け継いでいるという。私たちの体がこの頃の人々の消化・吸収システムや脳のシステムと大差ないのであれば、縄文人のころになかったものは口にするべきでないといえる。

食事の新常識

とったほうがいい食べ物、控えたほうがいい食べ物
Guescri/iStock/Thinkstock

肥満の原因は「糖質(炭水化物)」である。カロリーを減らすことは、肥満とは関係ない。脂肪のカロリーは高いが、食べすぎても便でほとんど体外に排出される。その一方で糖質は体内で100%吸収され、分解・合成されたあと脂肪となり、体内に残ってしまう。

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要約公開日 2018.05.05
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