目標を達成すること以上に重要なのが、目標を設定することだ。なぜなら、目標を設定することによって、「今」どのように行動したらいいのかが明らかになるからだ。今の行動が未来をつくっているのだから、目標を設定し、その達成に向けて今の行動を変えることで、変化し、成長し続けることが大切だ。
どんなにモチベーションが高かったとしても、次に挙げる3つを満たしていない目標は達成されることがない。
1つ目は、目標・ビジョン・期限の3つの要素が具体的に「見える」こと。目標を視覚化しなければならないのは、見えていなければ、達成したかどうかがわからないからだ。ビジョン、つまり目標達成後の世界が見えていなければ、目標達成に向けて行動することができないし、期限を視覚化しなければ、今何をすればいいのかが見えてこない。
2つ目は、目標達成までの計画とステップがあること。著者は、コンサルタントの高橋政史さんが提唱する「仕事のGPS」というフレームワークを紹介している。ある1つのゴール(G)を設定したら、そのゴールを達成するためのポイント(P)を3つ決定し、そしてそれら3つのポイントをクリアするために必要なステップ(S)までを定めるフレームワークだ。このフレームワークを使うメリットは3つ。1つのゴールにフォーカスできること、数字が明確になっていること、シンプルでノートとの相性がいいことだ。そのため、著者は、計画フレームである「仕事のGPS」を実践フレームである「PDCAノート」と組み合わせている。
3つ目は、常に脳のパフォーマンスを高く保つことだ。ここで重要なのが、「ウィルパワー(意志の力)」と呼ばれるもの。ウィルパワーとは思考のスピードや精度のことで、イライラしたり、意思決定したりするたびに下がっていく。ウィルパワーを消耗しないようにするためには、ルーチンを作ることとフレームを使うことが効果的だ。たとえば、同じシャツを何枚も用意しておいて、何を着ようかと悩まなくて済むようにすることなどが挙げられる。
目標(ゴール)が明確に見えていなければ、PDCAサイクルは方向性を見失ってしまう。つまり目標達成に必要なのは、PDCAサイクルに「G」を加えたG‐PDCAサイクルだと言える。
G‐PDCAをうまく回すためには、「見える化」「仕組み化」「習慣化」の3つの基本ルールを押さえている必要がある。この3つをおさえたフレームが、本書で紹介される「PDCAノート」だ。
用意するのは、A4サイズ以上の方眼ノート、ペン、そして定規の3つ。このノートに「やりたいことリスト」「やらないことリスト」「ビジョンと目標」「年間計画GPS」「四半期3カ月計画GPS」「デイリー目標PDCA」「ウィークリーレビュー」の7つのフレームをつくることで、1冊のノートの中に「目標」「計画」「実行」「振り返り」をビルドインする点が特徴だ。
フレームの1つ目と2つ目の「やりたいことリスト」と「やらないことリスト」について紹介する。
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