よい商品をつくれば絶対に売れると考える人は多いが、そうならない厳しい現実がネット通販にはある。なぜなら、99%の通販会社が「3つの指標」を知らないからだ。一方、売上100億円超えの大手通販企業は、この3つの指標によって「科学的な全体像」を把握したうえで商品を売り出し、計算通りに売上を上げている。
その3つの指標とは、「売れる通販指数」、MR指数、年間リピート率だ。「売れる通販指数」は、ある商品の売上(円)×購入者数(人)÷クロージングをかけた数(人)によって算出できる。これは、特定の商品について、クロージングをかけたお客さまがどれくらいの割合でどのくらいの額を買ってくれるのかを数値化したものである。この数値によって、その商品が確実に売れるかどうかを見ることができる。目標は2000を超えていることだ。
MR指数とは、広告にかけた費用を、その広告によって得られた受注売上でどれくらい回収できたかを示す数値だ。受注売上÷広告費で算出できる。目標の0.8を超えると、大きなビジネスモデルの展開やお客さまのリピートが望めるという。
年間リピート率は、大手通販企業と同様、60%が目標だ。ネット通販ビジネスは、リピート率を上げることによって利益をつくっている。そのため、リピートしない商品やビジネスは、長く生き残ることができない。
この3つの指標を意識することで、加速度的に売上を上げ、それを維持できる土台をつくることが可能となる。思い込みによる商品投入や的はずれなリニューアルをなくせるため、ビジネスが成功する確率が格段に上がるといえる。
企業が行う通販ビジネスのモデルは、大きく2つに分けられる。まず、商品を幅広く取り揃え、総合的に個々のお客さまから売上を引き上げていく「総合通販」だ。膨大な商品ラインナップや、SEO対策が必要であるため、資金力のある大手通販企業が採用している。
もう1つは、お試し商品から定期購入へと引き上げていく「単品リピート通販」だ。中小企業やベンチャー企業では、単品リピート通販のビジネスモデルを採用するのが望ましい。なぜなら、単品リピート通販は、販売テクニックさえ理解し実践できれば、低予算でも儲かるネット通販ビジネスをつくり上げることが可能だからである。
なお、単品リピート通販においては、商品の選択が鍵となる。「1年間で3回以上購入する可能性があり、その総額が1万8000円以上になるもの」を選ぶとよい。
小さな通販会社が単品リピート通販モデルで売上を伸ばすには、「UVPとストーリーを組み合わせて打ち出す」ことが必須だ。UVPとは、Unique Value Propositionの略でお客さまに「自社独自の価値」を提案することを指す。
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