思春期に入ると、男の子は急に口数が少なくなる。「メシ、風呂、寝る、うるせぇ」の4語で会話を済ませようとするくらいだ。なぜなら、男だけで群れて遊ぶ世界、仲間内だけで通じ合える会話やルールなど、親が介入しない世界が楽しくなってきているからだ。
多くの母親は、こういった「大人にはわからない楽しい世界」の存在を理解しない。だから、的外れなことを言ったり、心配して「やめなさい」と言ったりする。しかし男の子には、母親に知られたくない、介入して欲しくないことがたくさんある。それにもかかわらず息子の何もかもを知ろうとすることが「うるせぇ」なのだ。
ただ彼らは、「うるせぇ」と言いながらも、母親を頼っていないわけではない。「うるせぇ」という言葉の後ろに「本当は、不安でたまらないんだよ、母さん」と、心の中で付け加えている。だから「うるせぇ」と言っているうちは、追いかけてガミガミ言うのではなく、まだ頼りにされていると解釈し、生意気な息子を受け入れてあげよう。やがて彼は成長し、「メシ、風呂、寝る、うるせぇ」に加えて「ありがとう」と言うようになるはずだ。
ヒトは、第二次性徴を迎えたら、異性の親とは本能的に離れていく傾向がある。これは近親相姦を防ぐためであって、生物学的に見れば当然のことだ。しかし、親には子離れの本能がないため、離れていく子どもに対して寂しい、悲しいと思ってしまう。
子どもたちは中学生になると「子ども」から「大人に近づいていく少年」になる。母親は疑似恋愛から卒業して、子どもの羽ばたきを喜んでやらなければならない。
小学校高学年以降、男の子は性に興味を持ち始める。彼らの性欲は、自分の意識や知恵でコントロールすることができないものだ。あなたの息子に精通があると感じたら、母親として少し観察力を鋭くしよう。性欲を満たす行動に夢中になっていないか、SNSなどを利用して女性と知り合っていないか、そこにお金がからんでいないかなど、息子の行動をよく観察する。
息子の恋愛についていろいろ聞いたり問い詰めたりしてしまうのは、逆効果だと言えよう。反対されると、ますます燃えてしまうからだ。「どこで知り合ったか」をさりげなく尋ねてみて、学校とは関係のない場所で知り合ったということなら、少し注意しておこう。また、中高生のうちは、付き合う女性を一度家に連れてくるよう促すといいだろう。会ってみて安心できないようなら、きちんと理由づけをして、親としての考えを伝えるべきだ。
「地震・雷・火事・親父」という言葉がある。これら4つは避けようと思っても避けられない怖いものだと認識せよ、という意味である。親父は多くの場合、家庭の大黒柱だ。子どもたちは、この大黒柱に支えられ、保護されて生きているということを忘れてはならない。
たとえ、親の決めたルールが他の家と違うと主張してきたとしても、
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