人前で輝く!話し方

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人前で輝く!話し方
出版社
自由国民社

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出版日
2018年05月12日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

前で話すのが大好きで、プレゼンやスピーチの出番を待ち構えている――そんな人はごく少数だろう。むしろ、プレゼンやスピーチとは無縁でいたいと思う人が大多数ではないだろうか。本書はそんな、話すのが大の苦手という人のために書かれたものだ。

本書では「伝わる」言葉の選び方、話す内容の練り方にとどまらず、緊張しすぎないメンタルの作り方、話し方をトレーニングする方法も紹介されている。それに加えて、人前で話すのに「慣れる」ための練習法、「イケてるボイス」になる方法まで書かれており、なんとも心強い。特に話し方のトレーニングは、日常生活の中ですぐにでも試せるものばかりだ。

フリーアナウンサーとして活躍する著者も、はじめは「ド素人」であった。彼女は試行錯誤を重ね、現在はトークの講師になるほどまで上達したというのだから説得力がある。できない人の気持ちがよくわかっているので、アドバイスが現実的で、トレーニングも実践しやすいように工夫されている点もポイントだ。

トークを磨くことは、単に「話すのがうまくなる」というだけではない。言葉づかいが丁寧になり、聞き手を意識することでコミュニケーションが円滑になり、語彙力が増えて感情が豊かになる。トークのトレーニングは、セルフプロデュースのひとつだと著者は語る。人前で話すのが苦手な人はもちろんだが、得意だと自負している人も、自分の意外な弱点に気づけるだろう。人前で話す機会のあるすべての人に役立つ一冊だ。

ライター画像
池田明季哉

著者

五戸 美樹(ごのへ みき)
フリーアナウンサー・トークレッスン講師。
1986年埼玉県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部日本語日本文学コース卒業。
2009年、㈱ニッポン放送にアナウンサーとして入社。『三宅裕司のサンデーハッピーパラダイス』『古坂大魔王 ツギコレ』などを担当。番組企画で東京マラソンを5回完走し、富士登山中継も務めるなど活躍。
2015年、フリーアナウンサーとして、エイベックス・マネジメント㈱に所属。契約満了後の2017年秋よりフリーランス。
現在はJ-WAVE『GROOVE LINE』、AbemaRADIOレギュラー、日刊スポーツWEBコラム『ごのへのごろく』連載中。トークを教える講師も務め、400件以上のイベント司会やラジオアナウンサーの経験から培ったトークスキルをアイドル、アーティスト、声優などに教えている。テレビ朝日アスク講師。「ストアカ」にて話し方教室開講。プレゼントーク、コミュニケーション研修など、企業研修・講演も行う。

本書の要点

  • 要点
    1
    デジタルの時代であっても、人前で話す機会はなくならない。人前で話すことが得意であれば一歩リードでき、仕事の幅は広がり、人生は豊かになる。
  • 要点
    2
    「こうするべき」というお手本は捨てよう。自分の言葉で話したほうが話し手も聞き手も楽になるし、話し手の個性を出すことができ、印象に残るトークとなる。
  • 要点
    3
    普段の話し方を見直すことで、人前で話すのが楽になるだけでなく、語彙が増えて人生が豊かになる、コミュニケーションが円滑になる、自分を好きになる、人からも好かれるようになるという効果をもたらす。

要約

誰もが必ず上手に話せるようになる

「人前で話すこと」の必要性
jacoblund/iStock/Thinkstock

日本の小中学校でアンケート調査を行ったところ、「人の前で話すことが嫌い」と答えた子どもは、中学3年生では70%にのぼった。ほとんどの日本人が、人前で話すのが嫌いだということだ。

それにもかかわらず、人前で話さなければならない機会は増えている。たとえば、企業の新商品を宣伝する体験イベントやお披露目イベントには、必ず「人前で話す人」がいる。アナウンサーが担当することもあれば、予算を節約するために広報担当が司会をし、製品担当が製品を説明するというパターンもある。

「人工知能に仕事を奪われる」という話もあるが、AIが冠婚葬祭の挨拶をすることはないだろうし、ラジオパーソナリティがAIに仕事を奪われることもないだろう。だから、デジタルの時代であっても、人前で話す機会はなくならない。その一方で、人前で話すことが苦手な人は多い。人前で話すことが得意であれば一歩リードでき、仕事の幅は広がり、人生は豊かになるだろう。

見た目はさほど重要ではない

トークにおいて大事なのは、「人前で話すときはこうすべき」という思い込みを捨てること、選択肢を増やすこと、そしてトレーニング方法を覚えることだ。

人前で話すことには5つの要素がある。内容、話し方、メンタル、声、見た目だ。ただし、見た目はあまり気にしなくてよい。表情がニコニコしていて姿勢が良く、清潔感がある服装であればよいだろう。視覚へのアプローチは第一印象のみだから、見た目よりも中身が重要だ。

【必読ポイント!】 「伝わる」話し方

お手本を捨てる

人前で話すときの話し方は、時と場合によって違う。「挨拶」と一口に言っても、結婚式なのかお葬式なのか、仕事の営業なのか、身内相手なのか、聞き手が10人か1000人かによって違ってくる。しかし、コツさえつかんでしまえば、「切り替え」だけでどんな場面にも対応できるようになる。

よくある間違いに、「お手本が間違っている」というものがある。たとえば結婚式の挨拶をする場合に、テンプレート通りの堅苦しい言葉で始めてしまうことが挙げられよう。もちろん間違いではないのだが、書き言葉をそのまま読み上げているために、話す側は話しにくいし、聞く側も意味がわかりにくい。こういった場合は、むしろ自分の言葉でお祝いの気持ちを伝えてしまったほうがよい。そうすると話し手も聞き手も楽になるし、話し手の個性が出る。

頭の中にあるお手本を一度捨てて、自分らしいトークを目指そう。人前だからと、別の自分を演じる必要はない。

台本を書き換える
SIphotography/iStock/Thinkstock

では、どのように話の内容を考えればよいのか。

著者がすすめるのが、テンプレートを応用する「台本書き換え戦術」だ。書き言葉が多くて読みづらく聞きづらいものを、しゃべりやすく、伝わりやすい言葉に置き換えてしまうのだ。書き言葉を話し言葉に、難しい言葉をわかりやすい言葉に変換すればよい。

結婚式の挨拶であれば、「誠に」は「本当に」に、「ご両家ご親族のみなさま」は「ご家族の皆さん」に、「心よりお祝い申し上げます」は「おめでとうございます」に、というように変えてみよう。

難しい言葉ほど簡単に

難しい言葉を使うと、知識が多い人に見せることができる。しかし難しい言葉は、トークにおいてはリスクとなる。聞いた言葉の意味がわからなくても、聞き手は「どういう意味ですか?」と聞き返しにくいからだ。人前で話すときは極力わかりやすく話すべきだろう。

特に専門用語には気をつけたい。相手が「知らない」ことを前提に話した方がよい。専門用語を使う場合は、「つまり」と言い換えるなどして、意味を説明しながら話すように心がけよう。

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要約公開日 2018.07.29
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