人間関係がうまくいかないと感じると、ついつい相手に原因を求めてしまうものである。しかし相手をなんとかして変えようとするよりも、自分自身を変えるほうがよほど手っ取り早い。
おすすめのやり方は、苦手な相手と話す前に「誰でも3つは、いいところがある」と心のなかで3回ほめることだ。加えてこちらから「お疲れさまです」と栄養ドリンクを差し出すなど、「ポジティブな働きかけ」をするのも有効である。人は自分になにかをしてもらうと、お返しをしたくなるものだからだ。これを「返報性の法則」という。
自分のいいたいことをまともに取り合ってくれない相手に対しては、「伝えられることはひとつだけ」というワンフレーズを、頭のなかで呪文のように唱えよう。そうすることで、自分は相手になにを伝えたいのかという一点に集中できるようになる。
ちなみにこのワンフレーズは、人前で話さなければならないときなどにも有効だ。短い会話のなかで相手に伝えられることは少ない。とくに複雑なことを話すときはこのワンフレーズを唱えて、相手に伝えたいことを明確にしてから挑むようにしよう。
なにを頼んでも「イエス」といわない人に対しては、否定疑問文で話しかけると引き受けてもらいやすくなる。たとえば「いま、すごく忙しいよね。5枚だけコピーをとってくれるとありがたいんだけど……その時間もないよね?」といった具合だ。
また批判的な相手を説得するには、「イエス・バット法」が効果的である。これは相手が批判を投げかけてきたときに、いったん「イエス」と認めたうえで、さりげなく自分の主張を滑りこませる手法だ。いきなり「でも」といわれると、人は批判されたと感じてしまう。逆にいったん相手の主張を受け入れると、自分の主張も受け入れてもらいやすくなる。
目上の人に対して、萎縮してしまいがちな人も少なくないだろう。しかし立場の違いをうまく活かせば、こちらの意見をぐっと通しやすくなる。たとえば話の最初に「ご存知だとは思いますが……」というワンフレーズをつけるだけでも、相手に対して尊敬を示すことができる。しかも相手は「知らない」といいにくいため、提案にも頷いてもらいやすい。
「とりあえず文句をいいたい」というタイプの人に対しては、相手がなにげなく話していたことをメモしておいて、それを枕詞にして伝えるといいだろう。「先日お食事をご一緒したとき、こういうことをおっしゃっていたので、それを受けてこのようにしてはどうかと思いまして」といういい方をすれば、相手もむやみに否定できず、こちらの意見が通りやすくなる。
片付けたいと思っていてもなかなかうまくいかない、長続きしないという人は多い。
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