著者は出版を志す人に向け、企画立案のための4つのワークをレクチャーしている。
第1のワークは、思いをキャッチするワークだ。ネタ帳をつくり、自分のアイデアを書き込むというものである。著者は百均で購入したリングノートをネタ帳にし、ふと思いついた「自分名句」を書き留めることを習慣としているという。アイデアを書き留める習慣をつけると、それまでは意識に上る手前で消えてしまっていた「ほのかなアイデア」も見えてくるようになる。ネタ帳の存在によって、「ほのかなアイデア」に対するセンサーが研ぎ澄まされるというわけだ。
第2のワークは、思いを形にするための「川柳ワーク」である。自分の中に湧いてくる思いを五七五の形で表現するというものだ。リズムがいいので楽しくなり、どんどん川柳を作りたくなってくるという。今この瞬間の思いを形にしてもいいし、常日頃思っていることでもいい。まずは、3分で3個くらい作ってみよう。
第3のワークは、思いを本の企画に結びつけるための「こんな本があったらいいのに」ワークだ。あなたもきっと、書店で「こんな本があったらいいのに、どうして誰も書かないのだろう?」と思った経験があるだろう。その経験を生かし、あなたが読みたい本のタイトルを作ってみよう。5分で3つ以上が目安だ。このワークによって、自分なりの企画を思いつくことができる。
第4のワークは、「ぶっちゃけカード」ワークである。ぶっちゃけカードとは、1行目に「ぶっちゃけ●●よ!」。2行目に「だって●●でしょ?」。3行目に「おまけに●●だろ?」。そして4行目に「だから●●! なーるほど!」と書いてあるカードだ。このカードの●●の箇所を埋めていく。
1行目には、相手に伝えたいことを書く。意表をつくようなことを書き、相手に意外性や驚きを持たせる内容が望ましい。
2行目には、ぶっちゃけた理由を書く。理由を聞いてもなお、相手はまだ半信半疑だろう。ここで「へー!」という反応を得られるはずだ。
3行目には、ぶっちゃけた理由の2つ目を書く。相手は「ほー!」と感心したあいづちを返してくれるだろう。
そして最後に再び、ぶっちゃけた結論を書く。相手はついに納得し、「なーるほど!」と思うはずだ。
「ぶっちゃけカード」を使えば、相手の反応を想定しながら作業を進めることができ、相手を飽きさせない仕掛けを作れるというわけだ。これは、企画を立てるときや目次を作るとき、本文を書くときにも使えるメソッドである。
本を企画してから実際に出版されるまでには通常1~2年かかる。その間に同じタイトルの本が他の出版社から出る可能性もなくはない。
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