フェミニスト・ファイト・クラブ(以下FFC)は、20~30代の、ニューヨークの街で「成功」を望む女性たち12人のもとで発足した。最初は、パスタやワインなどを持ち寄って仕事のグチを語り合う会だった。
彼女たちが受けていた性差別は露骨なものではないが、確実に女性の成長を阻むものだった。会議の席で男性から無意識のうちにメモを取るように言われたり、何度も話の腰を折られたりする。その女性が有色人種であれば、状況はもっと悪い。男性と同じくらい仕事ができると証明するために、男性の3倍も4倍も働かなければならない。これらは日常的に女性たちを追い詰めていく「狡猾な性差別」である。
統計では、性差別をなくしたほうが社会にとってもプラスであることが明らかになっている。男女平等が達成できれば、社会に「より協調性が生まれ、利益も上がり、さらに包括的になる」という。
また、「女性リーダーのほうが効率的で、余計な危険を冒す可能性も低く、マルチタスクにすぐれ、相手の感情を理解する能力もはるかに高い」という研究結果も出ている。これには、『ハーバード・ビジネス・レビュー』もお墨付きを与えている。
平等を勝ち取るために私たちに必要なのは、団結することだ。本書は、性差別に気づきながら、「大した問題ではない(あるいは、全部自分が悪いんだ)」と思っている女性や、それをサポートしようとする男性のために書かれた。本書は行動のための本である。
FFCのミーティングで、参加者たちは、会議で男性に邪魔されたことや、アイデアを男性に横取りされたことなどを話し合った。その中で、「自分だけじゃない」という感覚を共有した。彼女たちにとっての問題は、みんなの問題でもある。ここからは、いくつかの用心したい男性のタイプと、その対処法を紹介する。
まずは「邪魔男」である。2009年のビデオ・ミュージック・アワードのステージで、テイラー・スウィフトのマイクを奪って話し出したカニエ・ウエスト(男)は、まさにこのタイプに分類される。
「邪魔男」への対処法の一つは、話すのをやめずに、かつ冷静であるようにふるまうことだ。また、他の女性が話しているときに邪魔男が割り込んできたら、彼女に最後まで話をさせるよう声をあげてみよう。これを著者は「女神のひと声」と呼ぶ。自分が発言をした後に、他の女性に意見を求めるのもよい。こうすれば、周囲に「チームプレーができる女性」という印象を与えられるだろう。
「月経毛嫌い男」というタイプもある。彼らは、女性が不満を表明すると「生理中」だと早合点する。
対策の一つは、冷静に仕事を続けることだ。男性が感情的になって怒鳴っても、まず咎められない。だが、同じことを女性がやれば地位を失ってしまう。常に落ち着いた口調で対応しよう。また、イライラしている正当な理由を強調するのも手だ。女性が怒っているのが「女性特有のヒステリー」ではなく、きちんと理由があることをわかってもらうのである。
次に、セクハラ男に対してはどう対処すべきだろうか。まずは、法律を知っておく必要がある。そして、不適切な言動や行為をすべて記録しておく。録音する、または信用する相手に口頭で伝えるのもよい。そうすれば、いざというとき、セクハラを裏付ける証拠を確保できる。
女性たちは昇進しても、この地位にふさわしくないと思ったり、些細なミスでこの仕事に向いていないと決めつけたりする傾向にある。しかし、これでは自分で自分の足を引っ張ることになる。こうした失敗から目をそらさずに、策を講じる必要がある。
自分で自分をダメにする女性のタイプをいくつか紹介しよう。まずは、オフィスでの雑用を率先して引き受けてしまう「オフィスママ」タイプだ。会議の準備や書類仕事は、いくら引き受けても見返りがない。いつもこうした仕事を振られるのなら、他の人に任せるか、男性に手助けを頼むようにしたい。
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