当パラグラフにおいて、筆者がポイントとして挙げている点は以下3点である。
・日本のベンチャー事業は、その名の通りの「冒険的事業」である。
・ファイナンスを学ぶことは、ベンチャー・ビジネスに潜む危険(リスク)を少しでも軽減する上で、非常に重要である。
・多くの先輩ベンチャー企業家が、ファイナンスの重要性を認識している。
日本において、ベンチャー企業それ自体、あるいは彼らの事業を総称して、「ベンチャー・ビジネス」と呼ばれているが、実はこの言葉は和製英語である。アメリカにおいては、日本でいうベンチャー・ビジネスに相当する英語は「スタートアップ」あるいは「スモールビジネス」であり、代わりに、ベンチャー・キャピタルという業態が存在する。つまり、アメリカにおいては、回収不能になるかもしれないリスクがある事業についても、その後の展望が見える企業に対して、リスクを取って投資するベンチャー・キャピタルの受け皿が整っており、それゆえに、「ベンチャー(冒険)」という言葉がベンチャー・キャピタルに対して使われている。
一方、日本においては、和製英語が示すとおり、まさにベンチャー企業は「ベンチャー」であると考えられる。つまり、起業にあたって、そして成長していく過程で、必要なお金のほとんどは自分で手当てしなければならないからである。また、わが国では進歩しているとは言え、創業時支援や創業後の経営管理について専門家を派遣するなどといった支援体制が必ずしも十分であるとは言えず、その結果、仕事を進めていく中でもリスクが生じていく可能性がある。
一般に言われる経営資源の3大要素として、「ヒト・モノ・カネ」が挙げられる。現状、これらの知識やノウハウの中で、モノ作りやヒトの育成に関する重要性はそれなりに認識されていると考えられる一方、カネに関わる経営知識やノウハウの重要性はあまり認識されていないように思われる。日本において、仮にベンチャー企業がリスクを少しでも抑えるために、ファイナンスを学ぶことは非常に重要であると言える。
当パラグラフにおいて、筆者がポイントとして挙げている点は以下3点である。
・ビジネスプランの中でも最も重要であり資金提供者が注目するのが財務計画である。ビジネスプランの巧拙は財務計画の内容で決まるといっても過言ではない。
3,400冊以上の要約が楽しめる