自信を持つには、「自分はできる」という感覚である自己有能感と、「物事を自分で決めた」という感覚である自己決定感が必要不可欠だ。全く同じ進路を歩み、同じ会社に就職したふたりの人物がいたとする。一方は自分の意思で、もう一方は親や学校の勧めに従って進路を決めてきた。
前者の判断基準は「内的基準」、後者は「外的基準」と呼ばれる。前者の人物は自己決定に慣れており、自分で決めて達成したという自信を持ちやすい。後者には、「この人生は自分の望みを叶えたものではない」「これは偽りの自分だ」という感覚が常に伴うとともに「自信がない」「やりたいことが分からない」という前提がつきまとう。自信を失い、ドロップアウトしてしまうこともある。
私たちは日々、さまざまな判断基準をもとにあらゆる判断を下している。著者はこの無意識の判断基準を「メタ無意識」と呼ぶ。メタ無意識はビジネスや健康問題など、人生の命運を左右する重要なものである。
人には五感情報、無意識、潜在意識、そして顕在意識がある。
顕在意識とは、人が理性で考えるときに使われる意識のことだ。会話や思考、計算などに使われ、容易に知覚できる。
一方、潜在意識は、私たちが知覚できないものだ。眠っているときや没我状態のとき、ぼーっとしているときに活性化される。潜在意識の奥にはさらに何層かの「無意識」があり、潜在意識に影響を与えている。
メタ無意識は、潜在意識を入れる器のようなものである。中身が同じでも入れ物が変われば見え方が変わる。コカ・コーラを普通のコップに入れればコップの形に見えるが、ミッキーマウスの形のグラスに入っていればミッキーマウスの形に見えるだろう。それと同じことだ。この器、つまりメタ無意識こそ、人生においてさまざまな現実を作り出す思考などの前提となる。
誰もが「私はこういう人だ」という見えない看板を背負っていて、それが本人の現実に影響を与えている。
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