知的生活の設計

「10年後の自分」を支える83の戦略
未読
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「10年後の自分」を支える83の戦略
著者
未読
知的生活の設計
著者
出版社
出版日
2018年11月24日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたには、人生において達成したいテーマのようなものがあるだろうか。もしあるとして、その目標達成のために日々、どんな積み上げを行っているだろうか。

本書は、ベストセラー『ライフハック大全』の著者・堀正岳氏による「知的生活のすすめ」である。知的生活とは、「新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっている」生活を指す。本や漫画を読んだり、アニメや音楽、動画、映画などといったコンテンツを楽しんだり、絵や写真などをつくりだしたり、旅をしたりすることなどはすべて知的生活の一端を担っているという。

さらに著者は、「知的生活の積み上げを設計する」ことの重要性を唱える。10000時間を境に量は質に転換していくという「10000時間の法則」をヒントに、いつまでにどれだけの量をこなすかを設計し、日々の行動に落とし込んでいくという考え方だ。たとえばあるジャンルの代表作が200冊あると見積もったとして、それを3年以内に読破するためには、1日あたり何ページずつ読み進める必要があるかを計画する。

本書を読めば、何気なく過ごしていた日々が違って見えてくるだろう。先述の例でいえば、日々の読書時間を捻出するため、1日、1週間、1か月のスケジューリングが変わってくるはずだ。自分のテーマを極めるためのいわば「登山」の日々をもっと楽しめること間違いなしである。

著者

堀 正岳(ほり まさたけ)
研究者・ブロガー。北極における気候変動を研究するかたわら、ライフハック、IT、文具などをテーマとしたブログ「Lifehacking.jp」を運営。知的生産、仕事術、ソーシャルメディアなどについて著書多数。理学博士。
おもな著書に『ライフハック大全――人生と仕事を変える小さな習慣250』(KADOKAWA)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    本書では、知的生活を「新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっている」生活と定義する。
  • 要点
    2
    目標達成のために行動計画を立て、今日の活動量を決めることを「知的生活を設計する」という。
  • 要点
    3
    知的積み上げのため、毎日2時間程度を確保しよう。
  • 要点
    4
    知的生活には出費がつきものだが、これは決して無駄遣いではない。成長のための投資と考え、毎月一定額を取り分けておこう。そうすると必ず知的投資を行うことになるし、一定量の知的インプットを自分に課すことができる。

要約

知的生活とはなにか

情報を新しい知的生産につなげる
Jirapong Manustrong/gettyimages

現代の情報社会において「知的生活」的なものにまったく触れずに生きている人はほとんどいないだろう。本や漫画を読むこと、アニメや音楽、映画を楽しむこと、趣味のためにお金を使うこと、旅をすること、これらすべてが「知的生活」の一端である。

「知的生活」という言葉は、渡部昇一の『知的生活の方法』(講談社)によって日本に広まった。また梅棹忠夫の『知的生産の技術』(岩波書店)は、知的生産を「人間の知的活動が、なにかあたらしい情報の生産にむけられているような場合」と定義した。

それらを踏まえて本書では、知的生活を次のように定義する。「知的生活とは、新しい情報との出会いと刺激が単なる消費にとどまらず、新しい知的生産につながっている場合だ」。すなわち、ありふれた情報との触れあいを、あなた自身のオリジナルな体験へと昇華させるような生活を指す。

情報編集能力の価値

今や情報量そのものによりも「情報編集能力」にこそ価値がある。情報編集能力とは、適切な場面で適切な情報を取り出すことができる能力だ。その場に合わせた話題を思いつける力や仕事のなかで発揮される発想力、そして究極的には、あなた独自の情報のまとめ方ができるという能力である。

たとえばビル・ゲイツ氏は、毎年夏の読書リストを公開することで知られている。ここには教養書のみならず、統計的な世界の見方について示した書籍や長編小説、テクノロジーに関連する書籍、彼の慈善事業に関連する書籍も含まれている。選書に彼の個性がにじみでて、他の誰にも複製できない価値が生じているわけだ。

【必読ポイント!】人生を変える「知的積み上げ」の習慣

知的生活を設計する

本書では「知的生活を設計するための5つのポイント」として、「自分の『積み上げ』を設計する」「パーソナルスペースを設計する」「発信の場所を設計する」「知的ファイナンスを設計する」「小さなライフワークを作る」が挙げられている。本項ではそのうち、「自分の『積み上げ』を設計する」について述べる。

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要約公開日 2019.01.13
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