「私らしく生きる」とは、「自分がそうありたいと信じるように生きること」である。仕事1つとっても、「生活のための仕事」よりも「好きなことを仕事にする」方が、はるかに幸せを感じられるだろう。しかし、好きなことを仕事にできるのは、特別な人やごく一部の人だけだと考えてはいないだろうか。
好きなことを仕事にして、自分らしく生きるチャンスは、だれもがもっている。必要なのは、自分の声に耳を傾け、素直になること。そして自分自身について考えてみることである。
また、「好きなことで食べていく」ための選択肢として、起業やフリーランスがベストとは限らない。在籍している会社で新規事業を立ち上げる、異動やジョブローテーションで実現するといった方法もある。さらには、休日にプロボノとして活動したり、SNSやブログで想いを発信したりするなど、自分に合った方法を見つけるとよい。
自分にとって譲れない軸を見つけ、それを叶えられる自分になっていく。それにより、私らしく生きる道が開けていく。
やりたいことを叶える手段として「起業」を選んだ場合、まずはそれが仕事として成り立つのかを見極めなければいけない。その手法として、3つの「や」を整理するワークシートを紹介する。
大きな紙に少しずつ重なるように3つの輪を書く。そして、それぞれに「やりたいこと(wⅰll)」「やれること(can)」「やるべきこと(must)」を書きこんでいく。ここでの「やるべきこと」は社会や周囲から求められていること、喜ばれることを指す。2項目に当てはまる事柄は、円が重なった部分に記入する。その結果、3つの「や」すべてに当てはまるもの、つまり3つの輪が重なった部分に書いたものこそ、仕事として成功する可能性が大きい。
もし、3つの輪が重なる部分に当てはまるものがなかったとしたら、欠けているところを補う方法を考えてみる。例えば、「やれること」が欠けていて、他の2つを満たしているのなら、知識やスキルを磨いてやれることを増やすとよい。「やるべきこと」だけが足りないなら、必要としている人が本当にいないのか、リサーチをしてみる。このように、3つの「や」のワークシートによって、仕事を成功させる戦略を立てやすくなるのだ。
マーケティングとは何か。それは、「だれが、なにに価値を感じて、経済やビジネスがまわるのか」という仕組みを知り、戦略を立てて、実際につくっていく活動のことである。つまり、好きなことを仕事にする場合でも、だれかに対し明確な価値を提供し、その対価としてお金をいただけるようになることが欠かせない。
そのためには、お客さまから選ばれる事業を考えることが必要だ。しかし、ものや情報があふれている現代、まったく新しいものを生み出すことは至難の業だ。そんな中で、「だれにも負けない私だけの強み」を発揮するにはどうすればいいのか。
著者がすすめるのは、「強みのトライアングル」である。自分にとっては強みであるものの、「だれにも負けない」とまではいえないものがあったとしよう。
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