「私らしさ」のつくりかた

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「私らしさ」のつくりかた
出版社
サンクチュアリ出版

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出版日
2016年12月07日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

「私らしく生きたい」と願う方は多いだろう。しかし実際には、そうは思っていても、何から手をつけたらいいのかわからない。もしくは、そもそも「私らしさ」が漠然としているケースもあるだろう。

「漠然とした私らしさ」から「明確な私らしさ」を導き出し、それを仕事や生き方に生かすには、どうしたらいいのか。そのヒントがふんだんに盛り込まれたのが本書だ。著者の猪熊真理子氏のアドバイスに沿って自己分析をし、ワークシートに書きこんでいくと、「私らしさ」が少しずつクリアになっていく。そのベースには、著者が学んできた心理学と、3000人の女性に寄り添ってきた経験がある。そのため著者の言葉には説得力があり、読者が自分自身と向き合い、大事にしたい価値観を言語化できるよう、背中を押してくれる。

「私らしさ」を表現する手段として、起業・独立のアドバイスがメインになっているが、やりたいことを模索している方も、自己分析のヒントが得られるだろう。また、お客さまの心をつかんでファンを増やす方法や、安定した心の保ち方についても言及されている。「人と向き合うビジネス」に携わる方にとっては、すぐ実践できるコツが満載だ。

もちろん、私らしさを生かした働き方を実現するには、「私らしく生きる」ためのステップを着実に踏むことが必要となる。自分を変えたい、何かに挑戦したい。でも、まだ具体的な行動を起こせていないという方は、本書と向き合うことが大事な一歩になるのではないだろうか。

ライター画像
中山寒稀

著者

猪熊 真理子(いのくま まりこ)
女子未来大学ファウンダー
株式会社OMOYA 代表取締役社長
1984年生まれ。東京女子大学文理学部心理学科卒業。学生時代に女性の自信形成に興味を持ち、心理学を学ぶ。大学卒業後は株式会社リクルートに入社し、『ゼクシィ』『HOT PEPPER Beauty』などの事業戦略・ブランドプロモーション戦略・マーケティングに従事。
その傍ら「女性が豊かに自由に生きていくこと」をコンセプトに講演やイベントを行い、高校生から70代までのべ3000人以上の女性たちと出会う。
会社退職後、2014年に株式会社OMOYAを設立。女性向け事業・ブランド・商品・サービスのコンサルティング、企業内の女性活躍推進などを行う。社会人女性の学びの場「女子未来大学」は、設立からわずか1年半で予約のとれない講座として話題に。
at Will Work理事。全日本伝統文化後継者育成支援協会役員。

本書の要点

  • 要点
    1
    「私らしく好きなことをして生きる」ためには、「私らしさ」を知ることが必要となる。「強みのトライアングル」を見つけ、3つの「や」を整理するワークによって、これから自分に必要なものを明確にするとよい。
  • 要点
    2
    お客さまに必要とされる存在になるには、ターゲットを絞り、そのお客さまのためにできることを考えることが大事だ。
  • 要点
    3
    成功する起業家の条件は、好奇心を持ち、目の前にいる人を大切にし、必要に応じて人に頼れることである。また、弱い自分をさらけ出す勇気もいる。

要約

私らしく生きるとは?

だれでも自分らしく生きられる
metamorworks/gettyimages

「私らしく生きる」とは、「自分がそうありたいと信じるように生きること」である。仕事1つとっても、「生活のための仕事」よりも「好きなことを仕事にする」方が、はるかに幸せを感じられるだろう。しかし、好きなことを仕事にできるのは、特別な人やごく一部の人だけだと考えてはいないだろうか。

好きなことを仕事にして、自分らしく生きるチャンスは、だれもがもっている。必要なのは、自分の声に耳を傾け、素直になること。そして自分自身について考えてみることである。

また、「好きなことで食べていく」ための選択肢として、起業やフリーランスがベストとは限らない。在籍している会社で新規事業を立ち上げる、異動やジョブローテーションで実現するといった方法もある。さらには、休日にプロボノとして活動したり、SNSやブログで想いを発信したりするなど、自分に合った方法を見つけるとよい。

自分にとって譲れない軸を見つけ、それを叶えられる自分になっていく。それにより、私らしく生きる道が開けていく。

やりたいこと、やれること、やるべきこと

やりたいことを叶える手段として「起業」を選んだ場合、まずはそれが仕事として成り立つのかを見極めなければいけない。その手法として、3つの「や」を整理するワークシートを紹介する。

大きな紙に少しずつ重なるように3つの輪を書く。そして、それぞれに「やりたいこと(wⅰll)」「やれること(can)」「やるべきこと(must)」を書きこんでいく。ここでの「やるべきこと」は社会や周囲から求められていること、喜ばれることを指す。2項目に当てはまる事柄は、円が重なった部分に記入する。その結果、3つの「や」すべてに当てはまるもの、つまり3つの輪が重なった部分に書いたものこそ、仕事として成功する可能性が大きい。

もし、3つの輪が重なる部分に当てはまるものがなかったとしたら、欠けているところを補う方法を考えてみる。例えば、「やれること」が欠けていて、他の2つを満たしているのなら、知識やスキルを磨いてやれることを増やすとよい。「やるべきこと」だけが足りないなら、必要としている人が本当にいないのか、リサーチをしてみる。このように、3つの「や」のワークシートによって、仕事を成功させる戦略を立てやすくなるのだ。

【必読ポイント!】 「好きを仕事に」を実現する方法

強みのトライアングルを見つける
Rawpixel/gettyimages

マーケティングとは何か。それは、「だれが、なにに価値を感じて、経済やビジネスがまわるのか」という仕組みを知り、戦略を立てて、実際につくっていく活動のことである。つまり、好きなことを仕事にする場合でも、だれかに対し明確な価値を提供し、その対価としてお金をいただけるようになることが欠かせない。

そのためには、お客さまから選ばれる事業を考えることが必要だ。しかし、ものや情報があふれている現代、まったく新しいものを生み出すことは至難の業だ。そんな中で、「だれにも負けない私だけの強み」を発揮するにはどうすればいいのか。

著者がすすめるのは、「強みのトライアングル」である。自分にとっては強みであるものの、「だれにも負けない」とまではいえないものがあったとしよう。

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要約公開日 2019.01.08
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