現代は「第4次産業革命」とも呼ばれ、新しいテクノロジーが次々と登場している。それにともない、シェアビジネスやクラウドファンディングなどの新しいビジネスモデルがいくつも生まれた。SNSの発展により、コミュニケーションのあり方も大きく変わってきている。
顧客に対していままでにない価値を提供するには、これまで求められてきた能力だけでは不十分だ。加えて技術の発展とともに、「正解がひとつとは限らない問題」も増えてきており、過去に学んだ知識や経験だけで生きていくことがますます難しくなっている。既存の知識や教養、スキルや資格だけでは食べ続けていけないということを、私たちはもっと自覚しなければならない。
この激動の時代において、もっとも重要なのは生涯にわたって「学び続ける力」だ。学校を出たら学びを終えるのではなく、一生にわたって学び続ける力を持つことが、人生を豊かにしてくれる。
社会人の学び直しは、近年「リカレント(recurrent)教育」と呼ばれて注目されており、欧米では社会人が大学に戻って学び、その後に社会復帰するのも珍しいことではない。テクノロジーの進化により、人間の寿命が100歳まで伸びると言われるなか、これまでのような人生80年を想定したモデルは変わらざるをえないだろう。
こうした未来を見据えて、日本でも「人づくり革命」でリカレント教育を広めようという動きが広まりつつある。人生100年時代では、就労期間も長くなるだろう。自分のスキルを陳腐化させないためには、学び続けることが必須だ。社会人の学び直しが、重要な時代になってきている。
日本で一般的におこなわれている知識注入・伝達型の一斉授業は、学校制度が始まった明治時代から続いているとされており、これだけ激動の時代にあってもほとんど変わっていない。しかしこのような受け身で教師から「与えられる勉強」では、コミュニケーションやコラボレーション、情報活用能力や課題解決力のような、21世紀型スキルと呼ばれる能力は育成できない。
いま求められているのは、「Learner Centric(ラーナーセントリック)」と呼ばれる、学習者中心の学びへのシフトだ。一律に同じやり方を採用するのではなく、それぞれにあったやり方、習熟度に合わせたやり方で学べるようにするのが、学習者中心主義の考え方である。デジタルテクノロジーを用いることで、学びの選択肢を増やし、子どもたちの主体性を広げる必要性はかつてないほど高まっている。
「フィンテック(FinTech)」「アグリテック(AgriTech)」「ヘルステック(HealthTech)」など、さまざまな産業のあとに「テック」がついたものを総称して「エクステック(xTech)」と呼ぶ。
エクステックの各分野では、テクノロジーで積極的に産業を変えようとする人が集まり、多くのイノベーションが起きている。こうした流れは制度や仕組みだけでなく、これまでの成功体験や価値観すらも通用しないほどの変革を起こす可能性を秘めている。
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