時代が変わり、保護者のニーズも変化しつつある。これまでは、有名大学の合格者数や偏差値が学校選びの指標だった。しかし今や、有名大学を卒業すれば幸せになれると感じる保護者は減っている。学校は、保護者のニーズの変化に合わせて変革を行っていかなければならない。
またITの登場によって、情報が先進国にだけ蓄積している時代は終わった。中国の辺境でもアマゾンの奥地でも、インターネット環境さえあれば誰でも情報が取得できるようになった今、人口が多い国が有利になるのは自明だ。
ではこれからの時代、少子高齢化が進む日本の子どもたちが中等教育の6年間で学ぶべきことは何か。こういった観点から、著者(大橋氏)は、自らが学園長を務める三田国際学園において「21世紀型教育」を実践している。
2020年の次にひとつの基準となるのは2040年だろう。2040年には、コンピュータやAIに使われる人材ではなく、AIを使いこなす人材が求められる。だからこそ、英語はC1レベルが必要だし、数学・プログラミングを学んでおかなければ時代に取り残されてしまうだろう。
だから著者は生徒たちに、「中学校時代に1本でも2本でもアプリを作ってください」「高校の間には『自分で思考するプログラム』、つまりディープラーニングの入り口ぐらいのアプリを作ってください」と指導しているという。アプリを作ることでその時代のことがわかるだけでなく、アプリづくりのベースに数学があることもわかる。このようにして、中学生のうちに数学の重要性を理解しておく必要がある。
本書の第2部では、大橋氏と共著者である本間教育研究所所長・本間氏の対談が掲載されている。要約では対談の中から一部を取り上げる。
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