「短気は損気」ということわざがあるが、気が短い人は損をするものだ。自分の意のままにならない友人に怒鳴り散らしてしまい、友情が壊れてしまったという経験をした人がいるかもしれない。仕事の場でも、取引先の前で感情的に怒ってしまうようなことがあれば、プロジェクトがご破算になってしまうだろう。
このように「感情的になって怒る」人は、人間関係でも仕事でも損をしていることが多い。だから充実した人生を送るためには、「怒らない」ことが重要だ。「怒らない」ことを心がけるだけで、人生がより良いものになるだろう。
「怒り」は心身にも悪影響をもたらす。イライラするとストレスがたまり、たまったストレスは心臓病や高血圧、動脈硬化など、様々な病気の原因になり得る。だから「怒らない」ことは健康にも良い。
「怒り」は様々な形で悪影響をもたらす。とくに大きいのは、「人間関係を悪化させる」ことである。怒りは親友を失わせ、仕事の関係者との信頼関係を壊し、恋人や夫婦を別れさせる。そういう意味では、「怒らない」ことが人間関係を円滑にするともいえるだろう。
哲学者の三木清は、「怒りとは分離である」(意訳)と述べた。分離とは人間関係を引き裂くことだ。これまで良い関係を築いてきた相手でも、怒りの感情をぶつけてしまえば、その相手との関係は引き裂かれてしまうだろう。
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