即動力

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出版社
SBクリエイティブ

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出版日
2018年11月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは、田村淳さんというと、何を思い浮かべるだろうか。多くの人がイメージするのは、お笑い芸人としての田村淳さんだろう。大学受験に挑戦したことを覚えている人も多いだろうし、ロックバンド「jealkb」のボーカリストとしての田村さんや、起業家としての田村さんをイメージする人もいるかもしれない。芸能活動、受験勉強、バンド活動、ビジネス。なんと活躍の幅の広いことかと驚かされる。

そんな田村さんの頭の中を覗けるのが、本書だ。田村さんがさまざまな領域で成功している背景には、「即動力」があるという。即動力とはその名のとおり、すぐさま行動に移す力だ。本書には、「学び」「ビジネス」「人間関係」「TV」における、即動力に関する田村さんの考えがまとめられている。

要約者が驚かされたのは、受験のエピソードだ。青山学院大学から不合格通知を受け取った後、田村さんが悔しさを噛みしめたのはほんの一瞬、自宅でシャワーを浴びている間だけだった。シャワーから出ると、すぐさまスマホで「大学 今から 受験」と検索。願書を受け付けている大学を探し、見事合格したという。しかも入学後に「自分が学びたいのはこの分野ではない」と気づき、すぐさま別の道を模索するという即動っぷりだ。

本書はぜひ、グズグズと今の場所にとどまってしまっている方にお読みいただきたい。著者の振り切った即動力を目の当たりにすれば、きっと勇気をもらえるに違いない。

著者

田村 淳(たむら あつし)
1973年、山口県生まれ。93年、お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」を結成。『金曜★ロンドンハーツ』など、テレビのバラエティ番組を中心に活躍。近年は、BSスカパー! 『田村淳の地上波ではダメ!絶対!』や九州朝日放送『ロンプク☆淳』などキー局以外にも活躍の幅を広げている。昨年、米シリコンバレーでスタートアップ投資などを手がける会社「Be Blue Ventures, Inc.」を立ち上げた。近著に『日本人失格』(集英社新書)。

本書の要点

  • 要点
    1
    著者は、勉強への意欲と勉強コンプレックスがつながった瞬間、大学受験を決めた。受験に失敗したときも、その時点で受験できる大学を探すなど、次の一歩に向けて即動した。
  • 要点
    2
    自分の才能に気づく近道は、人との出会いやコミュニケーションだ。自分を卑下していないで、外に出て人と話そう。
  • 要点
    3
    即動のための5カ条は、「失敗しに行け」「他人の評価は気にしない」「ゴールの変更を恐れるな」「100のニワカであれ」「二兎を追う者、もっと得る」だ。

要約

学び×即動力

「勉強コンプレックス」をバネに
Milatas/gettyimages

著者は43歳のとき、青山学院大学(以下、青学)の入試を受けることにした。勉強期間はたった180日、偏差値は32しかなかった。

「学歴コンプレックスでもあったの?」と思う人もいるかもしれないが、決してそうではない。著者が持っていたのは「学歴」コンプレックスではなく「勉強」コンプレックスだった。高校に進学せず、芸人の道を目指したため、今までほとんど勉強をしてこなかったのだ。当時は、芸能界で生きていくために勉強が必要だとは思えなかった。

大人になるにつれ、知識があるほど思考や思索は深くなるし、語彙力があれば自分の思いをきちんと伝えられると気づいた。だが「生きていけるし、稼げているからいいや」「学ぶ目的がないから」と、学ぶことを先送りしてしまっていた。

40代を超えると、法学を学んでみたいという思いが芽生えた。きっかけは、コンプライアンスによってメディアのあり方が変わってきていると気づいたこと。「文句を言われないように」「炎上しないように」という恐れから自主規制が入り、クリエイティブがしぼんでいるように感じられた。ルールとはどんなもので、その範囲はどこなのか。それがわからないかぎり、自分が動き回れる範囲も見えてこないと気づいた。勉強への意欲と勉強コンプレックスがつながった瞬間、著者は即動していた。

青学挑戦が報じられたとき、きっと世間は「イメージで大学を選んだだろう」と思ったに違いない。しかし著者が青学を選んだのは、青学に魅力的な先生がいたからだ。批判も多かったが、まったく気にしなかった。学びたい想いがあるのだから、即動を止める必要はない。

失敗してもグズグズせず、未来に向かう
noipornpan/gettyimages

青学の法学部をはじめとし、5回の入試に挑戦した。過去問では合格点に到達したこともあったが、結果はすべて不合格だった。

合格発表は、テレビカメラの前で迎えた。テレビの前では気持ちを表現できなかったが、家に帰って一人になった途端に悔しさが押し寄せてきた。シャワーを浴びながらただ泣いた。

結果を受けとめたらグズグズせず、未来に向かうべきだ。悔しさと向き合ったのは、シャワーを浴びていたその一瞬だけだった。シャワーから出ると、スマホを手に取って「大学 今から 受験」と検索。今から行ける大学を探し始めた。青学に落ちた6時間後、「慶應義塾大学 通信教育課程」の存在を知った。

慶應義塾大学法学部の通信課程の入試課題は、3つの論文だった。テーマは「志望動機」「なぜ法学を学びたいのか」「最近読んだ法律関連の本で、あなたが感じたこと」。すぐに論文を書いて送り、合格することができた。

実は、通信課程の卒業率はたったの3%だ。単位を取りたい科目のレポートを提出しないと、テストが受けられないシステムだからだ。テストの日のスケジュールを空け、レポートを書かないと、単位はもらえない。多忙な著者に、スケジュール確保という高い壁が立ちはだかった。

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要約公開日 2019.04.18
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