「超コントロール思考」とは何か。これは、自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージ通りに物事を進め、よりよい結果を生み出そうとする発想だ。
主体的であることやコントロール思考の重要性は、様々な自己啓発書や心理学の本で説かれてきた。主体的な生き方とは、自分がコントロールできることを増やし、人生の舵を自分でしっかりと取れる生き方を示す。
コントロールできない要素が多ければ、たとえ高給の仕事だとしても、「やらされ感」があり、つまらなく感じてしまう。とりわけ大企業では、仕事が細分化されているため、長期間、裁量権が狭い仕事をするケースが多い。しかし、そうした環境下でもコントロールは可能だ。「仕事の内容を変える」「仕事の締め切りを変える」など、自分のできる範囲で実践してみると、だんだんとコントロールできる幅が大きくなる。
仕事のパフォーマンスを最大化する方法は、自ら仕事内容をデザインし、成果の出しやすい環境を整備することである。プライベートも同様に、人間関係を主体的にデザインすれば、ストレスフリーに過ごせるだろう。
超コントロール思考の持ち主になるにはどうすればいいのか。一つ目は、「選択肢を広げる」ことだ。自分が今どのような可能性を持っているかを常に広い視野で考え、できることを確認するようにしたい。そのうえで、現代のテクノロジーを駆使すると、自らがとれる選択肢も広がる。
二つ目は、「知識を得る」ことだ。インターネットの登場により、現代では情報格差が縮まっている。コントロールの要になるのはさまざまな情報から得る知識だ。知識があればあるほど選択肢が広がり、コントロールの範囲は広がる。
超コントロール思考の土台は「情報収集への貪欲さ」である。多様なネットワークや情報網を通じて情報を手に入れると、ますますコントロール力も鍛えられる。
仕事をコントロールするうえでのポイントは、自ら裁量権を持って働けるかどうかだ。具体的には、「毎日数分単位でいいので徐々に自分の裁量権を広げていく」ことだ。どんな状況下でも、どんな上司のもとでも、能動的に仕事をデザインしていけば、年単位や10年単位で見ると、将来の裁量権が変わっていく。
同時に、個々人が持つリソースのうち、2割、できれば3割の「余裕率」をしっかりと確保しておきたい。余裕がないとありとあらゆるコントロール権が失われ、「仕事にコントロールされてしまう状態」に陥ってしまうからだ。
現代では、働きながら家事や子育てをしている女性が多い。仕事の分量を自らコントロールする必要性がますます高まっている。結婚、出産というライフイベントを迎えるもっと前から、余裕率を加味して仕事のスケジュールをたてるのが望ましい。
自分の能力や希望だけでなく、どこでどのように働けばより良く生きられるかという視点で仕事を選択しよう。女性は理不尽な性差別を受ける可能性も高い。そのため、「どういう職場で誰と働くか?」に関しては、積極的にコントロールする必要がある。
効率よく成果を出すためには、その仕事を「いつやるか」も考えなければならない。自分の集中力とやる気のピークがいつ来るのかを、見直すとよいだろう。自分のピークや睡眠サイクルがわかれば、それに合わせて仕事を調整することで、より快適に結果を出せるようになる。
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