勝間式超コントロール思考

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出版社
アチーブメント出版

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出版日
2019年02月04日
評点
総合
4.2
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.5
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おすすめポイント

「コントロール」という言葉を聞くと、他人を思い通りに支配するようなネガティブなイメージを抱くかもしれない。しかし、「コントロール」の定義を、「自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージ通りに物事を進める方法」と捉えてみるとどうだろうか。誰もがそのように生きたいと思うに違いない。

経済評論家のかたわら幅広い分野で活躍し、「まれにみる超コントロール思考の持ち主」といわれる勝間和代氏。本書は、仕事、お金、健康、人間関係、家事、娯楽の6つの観点から、どのように人生をコントロールしていけばいいかを、勝間氏が具体的な事例とともに解説した一冊だ。

ポイントは、コントロールの範囲を広げ、裁量権を持つことである。近年はIT化が進み、インターネットが自由に使え、様々な最新機器が生まれている。それらをもっと有効活用すれば、仕事や生活全体をより自分らしいものにでき、ストレスが減る。さらには、人生の満足度もますます上がるだろう。

会社勤めをしていると、自分自身の裁量では決められず、会社にコントロールされていると感じているかもしれない。しかし、自分の発想と行動次第で変えられる部分は必ずある。まずは目の前の仕事から始めてみてはどうだろうか。そこから少しずつコントロール範囲を広げ、人生の舵をちゃんと自分で取ろう。

ライター画像
山下あすみ

著者

勝間 和代(かつま かずよ)
経済評論家。株式会社監査と分析 取締役。中央大学ビジネススクール客員教授。1968年東京生まれ。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー・アンド・カンパニー、JPモルガンを経て独立。少子化問題、若者の雇用問題、ワークライフバランス、ITを活用した個人の生産性向上など、幅広い分野で発言を行う。なりたい自分になるための教育プログラム「勝間塾」を主宰するかたわら、麻雀のプロ資格取得、東京・五反田にセミナールーム&キッチンスタジオ『クスクス』をオープンするなど、活躍の場がさらに拡大中。最近では、テレビや雑誌で専門知識をフル稼働させた節約法や、自身の体験と研究からの家事、家電選びのアドバイスが人気。『勝間式食事ハック』(宝島社)、『勝間式超ロジカル家事』(小社)など、著作多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    自分で自分の生活をコントロールできるようになると、毎日がイメージ通りに進み、楽しく過ごせるようになっていく。
  • 要点
    2
    選択肢が多いほどコントロールできる範囲が広がる。世の中の仕組みに関する知識を得ると、選択肢も広がる。知識獲得に誰よりも貪欲となって、情報を集めよう。
  • 要点
    3
    仕事のパフォーマンスを最大化する方法は、仕事の領域や環境を整え、自らが仕事内容をデザインし、コントロールすることだ。同じく人間関係を主体的にデザインすれば、ストレスフリーに過ごせる。

要約

【必読ポイント!】 なぜ「超コントロール思考」が必要なのか

主体的に生きるための「超コントロール思考」

「超コントロール思考」とは何か。これは、自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージ通りに物事を進め、よりよい結果を生み出そうとする発想だ。

主体的であることやコントロール思考の重要性は、様々な自己啓発書や心理学の本で説かれてきた。主体的な生き方とは、自分がコントロールできることを増やし、人生の舵を自分でしっかりと取れる生き方を示す。

コントロールできない要素が多ければ、たとえ高給の仕事だとしても、「やらされ感」があり、つまらなく感じてしまう。とりわけ大企業では、仕事が細分化されているため、長期間、裁量権が狭い仕事をするケースが多い。しかし、そうした環境下でもコントロールは可能だ。「仕事の内容を変える」「仕事の締め切りを変える」など、自分のできる範囲で実践してみると、だんだんとコントロールできる幅が大きくなる。

仕事のパフォーマンスを最大化する方法は、自ら仕事内容をデザインし、成果の出しやすい環境を整備することである。プライベートも同様に、人間関係を主体的にデザインすれば、ストレスフリーに過ごせるだろう。

コントロール力は鍛えられる
ElNariz/gettyimages

超コントロール思考の持ち主になるにはどうすればいいのか。一つ目は、「選択肢を広げる」ことだ。自分が今どのような可能性を持っているかを常に広い視野で考え、できることを確認するようにしたい。そのうえで、現代のテクノロジーを駆使すると、自らがとれる選択肢も広がる。

二つ目は、「知識を得る」ことだ。インターネットの登場により、現代では情報格差が縮まっている。コントロールの要になるのはさまざまな情報から得る知識だ。知識があればあるほど選択肢が広がり、コントロールの範囲は広がる。

超コントロール思考の土台は「情報収集への貪欲さ」である。多様なネットワークや情報網を通じて情報を手に入れると、ますますコントロール力も鍛えられる。

仕事をコントロールする

裁量権は年単位で広げる

仕事をコントロールするうえでのポイントは、自ら裁量権を持って働けるかどうかだ。具体的には、「毎日数分単位でいいので徐々に自分の裁量権を広げていく」ことだ。どんな状況下でも、どんな上司のもとでも、能動的に仕事をデザインしていけば、年単位や10年単位で見ると、将来の裁量権が変わっていく。

同時に、個々人が持つリソースのうち、2割、できれば3割の「余裕率」をしっかりと確保しておきたい。余裕がないとありとあらゆるコントロール権が失われ、「仕事にコントロールされてしまう状態」に陥ってしまうからだ。

難易度が高い「女性の仕事コントロール術」
thomasandreas/gettyimages

現代では、働きながら家事や子育てをしている女性が多い。仕事の分量を自らコントロールする必要性がますます高まっている。結婚、出産というライフイベントを迎えるもっと前から、余裕率を加味して仕事のスケジュールをたてるのが望ましい。

自分の能力や希望だけでなく、どこでどのように働けばより良く生きられるかという視点で仕事を選択しよう。女性は理不尽な性差別を受ける可能性も高い。そのため、「どういう職場で誰と働くか?」に関しては、積極的にコントロールする必要がある。

「何をやるか」より「いつやるか」

効率よく成果を出すためには、その仕事を「いつやるか」も考えなければならない。自分の集中力とやる気のピークがいつ来るのかを、見直すとよいだろう。自分のピークや睡眠サイクルがわかれば、それに合わせて仕事を調整することで、より快適に結果を出せるようになる。

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要約公開日 2019.04.23
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