片づけ脳

部屋も頭もスッキリする!
未読
片づけ脳
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片づけ脳
出版社
自由国民社

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出版日
2019年05月31日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

会社のデスクまわりが散らかっている、書類が見当たらない、家に帰るとモノがあふれている――。1つでも当てはまるものがあれば、脳を鍛えてみてはいかがだろうか。

片づけられないのは、面倒でやる気が出ないから、あるいは整理整頓の能力が低いから。そんなふうに思っていないだろうか。1万人以上におよぶ脳画像診断を経験してきた脳内科医である著者によると、片づけられないのは「脳」のせいだという。脳のある部分が弱いため、「片づけられない脳」になっているというのだ。脳の働きを理解し、脳の弱い部分を鍛えることで、片づけができる脳=「片づけ脳」になれる。すると、片づけが得意になるだけでなく、会話が上手になる、観察力が身につく、集中力が上がるなど、実にさまざまなメリットを享受できる。

本書では、脳の弱い部分を見つける方法から、脳を鍛える方法、脳に片づけを習慣化させるコツなどが、わかりやすく紹介されている。

「たかが片づけ、されど片づけ」。片づけがテキパキできる人ほど、心に余裕ができ、やるべきことをテキパキとさばける。仕事のパフォーマンスを上げ、ストレスフリーに生きたいと考える方にとって、本書は必読の一冊である。片づけ脳を身につければ、机も頭の中もスッキリする。「片づけ脳」が運を引き寄せ、人生を明るく照らしてくれるはずだ。

ライター画像
木下隆志

著者

加藤 俊徳 (かとう としのり)
新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社「脳の学校」代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。脳番地トレーニングの提唱者。
14歳のときに「脳を鍛える方法」を知るために医学部への進学を決意。1991年、現在、世界700カ所以上の施設で使われる脳活動計測「fNIRS(エフニルス)」法を発見。1995年から2001年まで米ミネソタ大学放射線科でアルツハイマー病やMRI脳画像の研究に従事。ADHD、コミュニケーション障害など発達障害と関係する「海馬回旋遅滞症」を発見。帰国後、慶應義塾大学、東京大学などで脳研究に従事し、「脳の学校」を創業、「加藤プラチナクリニック」を開設し、MRI脳画像診断から、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療。現在、加藤プラチナクリニックでは、独自開発した加藤式脳画像診断法を用いて、脳の成長段階、得意な脳番地、不得意な脳番地を診断し、薬だけに頼らない脳トレ処方を行う。
著書には、『アタマがみるみるシャープになる!! 脳の強化書』(あさ出版)、『発達障害の子どもを伸ばす 脳番地トレーニング』(秀和システム)、『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)、『「めんどくさい」がなくなる脳』(SBクリエイティブ)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    脳細胞が集まり集団になった場所は「脳番地」と呼ばれる。脳番地は、機能別に8系統に分類できる。それらは視覚系、理解系、運動系、思考系、記憶系、感情系、聴覚系、伝達系である。
  • 要点
    2
    脳番地のどこが強いか・弱いかは、人によってさまざまである。自分の脳のクセを見極め、弱い脳番地を鍛えることが「片づけ脳」を身につける第一歩である。
  • 要点
    3
    鍛える順番に迷うときは、運動系→視覚系→思考系→記憶系の順番にトレーニングをするとよい。

要約

片づけられないのは脳のせいだった!

脳が「片づけよう」と働くかどうかが大事

脳は人間にとって大事な器官である。人間の感情や思考、行動など、あらゆることが脳の働きに委ねられている。そのため、片づけにおいても、脳がいかに「片づけよう」と働くかがカギとなる。

脳には、さまざまな役割が与えられた、1000億個以上の神経細胞が存在している。同じような働きをする細胞が集まり、基地のようになった場所を、著者は住所のように「脳番地」と表現している。

8つの脳番地
Natali_Mis/gettyimages

脳番地は、機能ごとに次の8系統に分類できる。

(1)視覚系脳番地:目で見たことを脳に伝える脳番地。ここが衰えていると、見た情報を正確に処理できない。よって、部屋が散らかっていても、それが視覚情報としてインプットされず目に入らない。

(2)理解系脳番地:物事や言葉を理解することに関係する脳番地。与えられた情報を理解し、自分を客観視する能力にも関係しており、好奇心によって成長する。また、空間認知にも関係している。この脳番地が弱いと、「どう片づければいいかわからない」という状況に陥ってしまう。

(3)運動系脳番地:体を動かすことに関係する脳番地。この脳番地が弱いと、動くことがおっくうになり、片づけるのも面倒に感じてしまう。

(4)思考系脳番地:物事を深く考えたり、判断したり、集中力を高めたりする機能が集まっている脳番地。脳の司令塔といえる。この脳番地が弱いと、自分で自分に指示が出せず、物事をすぐには決められない。片づけの基本である「ものの場所を決める」ことが、なかなか実行できなくなってしまう。

(5)記憶系脳番地:情報を蓄積する脳番地で、覚えたり思い出したりすることに関係する。知識と感情の連動で強化される。記憶系が弱いと、元にあった場所が思い出せない。

(6)感情系脳番地:喜怒哀楽といった感情を表現する脳番地。死ぬまで成長し続ける。この脳番地が弱いと、片づけを他人に任せがちになる。

(7)聴覚系脳番地:耳で聞いたことを脳に集める脳番地。ここが弱いと、聞いたことを受け止められず、忘れてしまい、行動できない。挙句、片づけも面倒になってしまう。

(8)伝達系脳番地:コミュニケーションに関係する脳番地。家族に「片づけて!」と言っても、家族が動いてくれないなら、コミュニケーションの仕方に問題があるのかもしれない。

脳に弱い部分があるから、片づけられない

これらの脳番地のどこが強いか・弱いかは、人によってさまざまである。どの脳番地が弱いのか、自分の脳のクセを見極めることが「片づけ脳」への第一歩となる。思うように片づけられない原因をたどると、それは脳の使い方のクセ、脳の弱い部分が引き起こしている。

また、注意欠陥多動性障害(ADHD)のように、病気の症状として「片づけられない」ケースもある。しかし、その場合でも、適切に対処しながら脳番地トレーニングを行えば、改善が見られることもある。

「片づけられない」3つのパターン

「片づけられない」状態を突き詰めると、次の3つのパターンに分けられる。1つ目は、運動系・思考系・伝達系が弱く、「やろうと思っても、なかなかスイッチが入らない」パターンである。2つ目は、視覚系・理解系・聴覚系が弱く、「途中までやったはいいが、なかなか進まない」パターンだ。そして3つ目が、記憶系・感情系が弱く、「片づけたけれど、すぐ元に戻ってしまう」パターンである。

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要約公開日 2019.07.29
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