何かを企画するとき、ピーチでは「やってみたらおもろいんちゃう?」という感覚をベースに考えていく。成功モデルはあるか、流行に合っているかどうかなどよりも、まずはこの考え方が先だ。
「おもろいんちゃう?」から実現したアイデアの中には、「客室乗務員のあいさつを大阪弁でやってみる」「ウナギ味のナマズ丼を機内食で出してみる」などがある。顧客サービスだけでなく、社内の部活動やオフィスの内装などもこの考え方をベースにしている。
「おもろい」を大切にする理由は2つある。1つは、そこから新しい価値が生まれるからだ。多くのサービスでは「早い×安い」が重視されているが、それに「おもろい」が加わると、顧客にとってのよろこびや楽しみは格段に増すだろう。誰しも「おもろい」を求める遺伝子のようなものを持っているはずだから、それが刺激されるようなサービスを提供したいと考えている。
2つ目は、「おもろさ」を求める姿勢は雰囲気となって周囲に伝わるからだ。航空会社のサービスは、無形のものだ。だからこそ、雰囲気をつくり、それを利用客に感じてもらうことが大切である。
著者は、「新しい企画は、100のうち1つ成功すればよい」と考えている。失敗をおそれず、どんどん新しい企画を立てていくことが大切だ。多くのアイデアが出されているほど、その中から選ばれるアイデアの質は高くなる。
とはいえ、次から次へとアイデアを出すのは難しい。リーダーが「1人10個、企画を考えてきて」と言うようなケースもあるだろう。だが、自由な雰囲気のなかで「私、こんなの考えました!」「それいい!」となるほうが、その後の企画化への流れもスムーズになるはずだ。
では、どうすればアイデアが出てくるようになるのか。著者が心がけているのは、たとえ実現しそうにないアイデアでも、考えついたらどんどん出していくことだ。CEOである著者が突飛なアイデアを出せば、ほかのメンバーも自由な発想ができるようになる。
メンバーのアイデアの許容範囲を広げるために出したアイデアの例として、
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