「クラウドソーシング」とはインターネットを活用したアウトソーシングを意味する。様々な企業がクラウドソーシングのプラットフォームを提供しており、職種や分野を特定せずに幅広い仕事を手掛けるところから、写真や翻訳など特定の分野に特化したところまである。
発注のスタイルも様々だ。発注者が依頼した案件に対していくつかのワーカーから提案を受け、そこから発注相手を選ぶプロジェクト型や、デザインやネーミングなどをコンテスト形式で募集し、そこから優れたものを選ぶコンペ型など。発注案件のタイプごとにふさわしいものを選択することができる。
「個人」を前提にした働き方が根付いている米国では既にクラウドソーシングが普及しており、市場規模は2013年時点で3000億円。2015年には1兆円市場になると見られている。
そのなかでも特に有名で規模が大きいのが「oDesk(オーデスク)」だ。オーデスクを介した仕事の発注額は年間400億円近くに上り、しかもオーデスクはこの3年間で毎年70%以上成長しているのだという。さらにオーデスクでは遠隔監視ソフトを用いて時給制の支払いを可能にしているほか、週30時間以上働くワーカーに対しては健康保険や退職金などの社会保障をサポートしている。「個」の働き方をバックアップするオーデスクは、会社に代わるインフラになりつつある。
クラウドソーシングのメリットは「早い」「安い」「質が高い」の3点だ。
「早い」というのは必要な人材を見つけられるスピードを表わしており、発注者が投稿した仕事をワーカーが見つけて契約にいたるまで、最短15分でマッチングが完了する。
従来の人材採用フローでは履歴書の提出や面接などの手続きが必要で、最低でも2か月はかかる。外注の場合でも、見積もり、稟議、契約書作成、といったプロセスに加えて顔合わせや相見積もりが必要となるケースも多く、どれだけ早くても2週間はかかってしまう。
こうした旧来のやり方がなくなることはないだろうが、スピードや臨機応変さが求められる現在のビジネスにおいて、クラウドソーシングは大きな威力を発揮するのである。
クラウドソーシングのもう一つのメリットは「安い」だ。仕事の発注相手が個人であるため、仕事の仲介者に支払う費用が発生せず、仕事そのものに対してのみフィーを払えばよいからである。
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