片づけられない自分がいますぐ変わる本

未読
片づけられない自分がいますぐ変わる本
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片づけられない自分がいますぐ変わる本
出版社
出版日
2019年12月21日
評点
総合
3.5
明瞭性
3.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書は、家事のマニュアル本ではない。片づけたいのに片づけられないのは能力の問題ではなく心の問題だとして、意識改革を促すことで「部屋と心のゴチャゴチャが消える」という心理学の本である。

「散らかりっぱなしは脳が優先順位をつけられないから」「自己免疫が片づけの邪魔をする」「孤独な人は片づけが苦手」「トラウマが片づけの邪魔をする」……要するに、片づけられない人=だらしない人、いい加減な人ではない。むしろ繊細で敏感でまじめな人なのだ。だからこそ、自分を責めず、他人を気にせず、「片づけなければ」という思い込みから自由になることで、逆に片づけられるようになる――これが著者の主張である。

世の中に「片づけられない」と悩む人は多いようで、書店には「片づけ」をテーマにした本があふれている。本書はそのいずれとも違うアプローチを取り、「大嶋式ラクラク片づけメソッド」として具体的な解決法を示してくれている。ところどころで語られる著者の体験談も読みごたえがあり、共感しながら読み進められるはずだ。

片づけで過去や人間関係が変わる、チャンスをつかめるようになる、美しい本来の自分に戻っていくと著者は言う。これまで「何をやってもダメだった」人は、ぜひ読んで試してみてほしい。

ライター画像
上條まゆみ

著者

大嶋信頼(おおしま のぶより)
心理カウンセラー。米国・私立アズベリー大学心理学部心理学科卒。
アルコール依存症専門病院、周愛利田クリニックに勤務する傍ら、東京都精神医学総合研究所の研究生として、また嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室非常勤職員として依存症に関する対応を学ぶ。嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長、株式会社アイエフエフ代表取締役を経て、現在、株式会社インサイト・カウンセリング代表取締役。短期療法のFAP(Free from Anxiety Program)療法を開発し多くの症例を治療している。
著書に『無意識さんの力で無敵に生きる』『見ない、聞かない、反省しない』(以上、青山ライフ出版)、『「いつも誰かに振り回される」が一瞬で変わる方法』『「すぐ不安になってしまう」が一瞬で消える方法』(以上、すばる舍)、『「気にしすぎてうまくいかない」がなくなる本』(あさ出版)、『「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法』(PHP研究所)、小説『催眠ガール』(清流出版)等多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    あなたが「片づけられない」のは、能力が足りないからではない。「言語性知能」と「動作性知能」のバランスが取れていないことが原因かもしれない。
  • 要点
    2
    片づけられる自分に変わるためには、心の持ちようを変える必要がある。決して自分を責めてはならない。ダメ出しをやめると「楽しみのホルモン」が分泌され、楽しく片づけられるようになる。
  • 要点
    3
    自分で自分に催眠をかける方法も有効だ。片づけられない自分を想像する前に、「催眠状態で片づけをする自分」をイメージして暗示をかけよう。
  • 要点
    4
    片づければ、自分に自信が持てるようになり、人間関係が改善する。

要約

なぜ、片づけられないのか

脳のバランスが悪いから
skynesher/gettyimages

片づけたくても片づけられないのは、能力が足りないからではない。脳のバランスが悪いからだ。

「言語性知能」と「動作性知能」のどちらかだけが優れていると、物事の優先順位がつけられず、片づけに集中することや、必要なものと不要なものを仕分けることができない。たとえば著者の場合、「片づけをやらなければ!」と思っていても、そこに雑誌が落ちていると「雑誌に対する興味」が上回ってしまって片づけられなくなるという。

このような状態の人は、片づけだけでなく、掃除もできない。部屋にホコリがたまっていることには気がついても、ついダラダラしてしまう。

これも脳内の優先順位の問題である。このようなタイプの人に「片づけ」を無理矢理やらせようとすると、かえって気持ちが落ち込んでしまったり、むしゃくしゃして気分が不安定になってしまったりすることがあるので注意が必要だ。

完璧に片づけようとしてしまうから

完璧主義者は、「汚い部屋をきれいにしたい!」と思っても実際に行動に移せないことがある。なぜなら、やるからには完璧にやりたいと考えるからだ。「あれも、これも」と頭の中でいろいろ想像した結果、あきらめてしまう。読んでいない本を捨てたくても、本の内容をきちんとチェックしなければならないと思って尻込みする。さらには、ただ捨てるのではなく、不要な本を古本屋さんに持って行くことを考えて、めんどうになってしまう。頭の中で計画しているだけで疲れてしまい、結果的にいつまでたっても部屋が片づかない。

また著者は、大学生の時に突然片づけができるようになるという不思議な体験をしたことがある。実家から離れて母親の意識が届かないところに住み始めた途端、どんどん片づけられるようになったのだ。

大人になってこの経験を振り返ると、母親の嫉妬が根源にあることがわかった。著者の母親も、ものを捨てるのが苦手なタイプだ。著者が部屋をきれいにしようとすればするほど、母親からの「私よりもきれいにするなんてずるい!」という嫉妬の気持ちを敏感に感じ取ってしまい、その結果、片づけに手を出せなくなってしまっていたのだ。

片づけられる自分に変わる方法

自分にダメ出しをしない

本書では、「片づけられる自分に変わる方法」として、いくつかの方法が紹介される。要約ではそのうち、3つを取り上げる。

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要約公開日 2020.04.04
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