何より伝えたい言葉は「今日がすべて」である。
情報が多く、将来のことも、周りの人のことも気になる時代において、「今に集中する」ことは難しい。しかし、過去にとらわれず、未来に揺さぶられずに、夢中になって楽しむことができるのは、今このときだけだ。その結果は、後にいろいろな形となって巡ってくる。
それに、全ては因果応報であり、自分の将来をつくるのは今日の自分である。だから、その自分を妨げるものはぜんぶ捨てて、軽やかに歩いていこう。
また、今日できることは、今すぐやることも大切だ。
著者は、朝目覚めるとすぐにスタッフに電話で指示を出す。最初の電話から2時間ほど経つと、今度は進捗状況の確認である。次に、お昼ごろに連絡をする。せっかちだと感じる人もいるかもしれないが、自分ではそう思わない。
もしかしたら、明日死ぬかもしれないからだ。「明日がある」という希望は持つにせよ、明日が絶対に来ると信じてはいけない。だから、今日できることは、今すぐやる。「何からやればいいのか」と悩まずに、思いついた順になんでもすぐやる。そうすれば、後悔することはない。
野球の試合で、ウェイティングサークルからバッターボックスに行くまでの間に不安を背負ったように見える選手は、絶対にヒットが打てない。あれこれ考えず、無心になって思い切りバットを振る。ヒットの確率は、3回に1度程度だ。
仕事や日常生活の多くは、打席のタイミングを自分で決めなくてはならない。「まだ早すぎる。準備ができていない」と言ってためらっていても、「準備万端の日」は一生やって来ないものだ。
何よりも大事にすべきなのは、自分に嘘をつかないことである。「できることを精一杯やってきたか?」と自分に問いかけ、そこに嘘がなければ思い切ってやる。そこで失敗したとしても、また打席はやってくる。
車にブレーキとアクセルがあるように、人間も「進む」と「止まる」をバランスよく使い分けることが必要だ。若いうちは「とにかくなんでもやってみなさい」と言われるが、進みっぱなしもよくない。
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