バブル崩壊後の「失われた20年」を経て、企業と社員は非協調な関係になっていった。その理由は3つある。デジタルテクノロジーの浸透により自動化が進んでいること。企業間競争の激化による短期的収益・業績の追求で、人件費がスリム化していること。そして、個人の価値観が変化し、多様な働き方を志向する人が増えていることだ。
こうした中で、「未来の働き方」を考える上で重要な流れは2つある。1つめは、「ジョブからスーパージョブへ」である。これまでのジョブは、定型的な業務と標準化されたプロセスで行われるものが中心だった。これに対しスーパージョブは、テクノロジーを利用しながら業務範囲を拡大し、従来業務や様々なスキルを組み合わせていく。
もう1つは、「繰り返し型ジョブからプロジェクト型ジョブへ」の流れである。プロジェクト型ジョブは、プロジェクト自体が明確な目的を持つだけでなく、そこに関与するメンバーにも、具体的な役割と短期的な目標が設定されている。
そして、「働き方改革」が進む中では、この複雑で非定型な新しい仕事を、今までより短い時間でやり遂げなければならない。
残業をなくしながら自分が評価されるためには、効率化するだけでなく成果を2倍に上げていくことを目指さなくてはならない。アウトプット、すなわち生み出す価値・成果を伸ばしていく必要があるのだ。
これを実現するために押さえておきたいのが、次の5つのトレンドである。まずは、自らの能力を高める「深層思考」と「業務最適化」だ。そのうえで、自分の能力を上手く引き出し、パフォーマンスを高められる「自己理解」と「パートナー」という要素が関わる。そして、これらのトレンドを実践することで形成される「汎用スキル」が5つめとなる。
今は不安定、不確実で先の読めない時代になっていると言われている。この世の中を生き抜くためのものとして、ビジネスの世界では「アジャイル」がキーワードとなっている。ビジネス用語としては、「熟考してから行動するのでは間に合わないため、すばやく考え、動きながら軌道修正しよう」ということを指す。どうせ先が見通せない時代なのだからまず行動して活路を見出そう、という考え方だ。これを効果的に行なうために、物事を「表層的」ではなく「深層的」に考える力を身につける。
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