フューチャーワーク

新時代で成果を2倍にする思考とスキル
未読
フューチャーワーク
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新時代で成果を2倍にする思考とスキル
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フューチャーワーク
出版社
河出書房新社

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出版日
2020年04月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

AIの発達などによって「今後無くなる職業」を取り上げた特集記事を読む機会が増えている。65才を超えて70才以降も働くことになるかもしれない時代において、自分がきちんと仕事でパフォーマンスを上げ続けられるのか、不安になることもある。そういった際に、この本は1つの道標となってくれる。

本書では、未来の仕事がこれまでの仕事とどう違うのか明快に説明した後、そうして変わっていく業務においてパフォーマンスを2倍にしていくにはどうすればよいか解説していく。ここで重要になってくるのは「5つのトレンド」だ。5つのトレンドには、自分自身のスキルを高めるためのもの、他人との関係の中で発揮されるもの、それらが複合的に混ざったものがある。そのうち何個かは今でも何となく実践できている人もいるだろう。それでも、5つ全てを意識的に実践できている人はあまりいないかもしれない。どのような読者にも伸びしろとなるヒントがあるはずだ。

また本書は、「なぜ必要か」という動機付けに加えて、「どのように行なうか」という実践方法がとても具体的に書かれている。実例に触れることで、未来に対する漠然とした不安が消えるだろう。そして、未来の働き方にきちんと対応して、生涯にわたって自分の価値を高め、パフォーマンスを上げ続けられるビジネスパーソンに生まれ変われるはずだ。

ライター画像
河合美緒

著者

高砂哲男(たかさご てつお)
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 執行役員 パートナー。慶應義塾大学法学部卒。大手エレクトロニクス企業、外資系コンサルティングファーム戦略部門パートナーを経て、現職。18年にわたり企業変革、事業変革、人材変革、M&A等のコンサルティングに従事する他、大手事業会社に二度出向し、ハンズオンで企業変革を支援した経験も有する。現在はデロイト トーマツ コンサルティングにて、オペレーショントランスフォーメーションの日本リーダーを務め、「人材価値の変革とそれを支える企業の仕組み変革が日本企業再成長の鍵」との信念の下、企業と人材の変革を、戦略策定から仕組み作り・実行までEnd to End で支援している。新聞・雑誌・ネット媒体への寄稿も多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    今後は、様々なスキルを組み合わせ、プロジェクト型の仕事に従事することが増える。未来の働き方は、単純な定型業務をこなしていく働き方から、複雑で不定型な働き方に変化していく。
  • 要点
    2
    価値や成果を2倍にする働き方が重要になる。そのためには、「深層思考」、「業務最適化」、「自己理解」、「パートナー」、「汎用スキル」の5つのトレンドを押さえておきたい。
  • 要点
    3
    中でも、「汎用スキル」が重要である。汎用スキルとは、どの会社や職場でも活用できる、意識的に再現可能なスキルを意味する。

要約

未来の働き方

複雑で非定型化する仕事
AndreyPopov/gettyimages

バブル崩壊後の「失われた20年」を経て、企業と社員は非協調な関係になっていった。その理由は3つある。デジタルテクノロジーの浸透により自動化が進んでいること。企業間競争の激化による短期的収益・業績の追求で、人件費がスリム化していること。そして、個人の価値観が変化し、多様な働き方を志向する人が増えていることだ。

こうした中で、「未来の働き方」を考える上で重要な流れは2つある。1つめは、「ジョブからスーパージョブへ」である。これまでのジョブは、定型的な業務と標準化されたプロセスで行われるものが中心だった。これに対しスーパージョブは、テクノロジーを利用しながら業務範囲を拡大し、従来業務や様々なスキルを組み合わせていく。

もう1つは、「繰り返し型ジョブからプロジェクト型ジョブへ」の流れである。プロジェクト型ジョブは、プロジェクト自体が明確な目的を持つだけでなく、そこに関与するメンバーにも、具体的な役割と短期的な目標が設定されている。

そして、「働き方改革」が進む中では、この複雑で非定型な新しい仕事を、今までより短い時間でやり遂げなければならない。

短期間で2倍の成果

残業をなくしながら自分が評価されるためには、効率化するだけでなく成果を2倍に上げていくことを目指さなくてはならない。アウトプット、すなわち生み出す価値・成果を伸ばしていく必要があるのだ。

これを実現するために押さえておきたいのが、次の5つのトレンドである。まずは、自らの能力を高める「深層思考」と「業務最適化」だ。そのうえで、自分の能力を上手く引き出し、パフォーマンスを高められる「自己理解」と「パートナー」という要素が関わる。そして、これらのトレンドを実践することで形成される「汎用スキル」が5つめとなる。

自分の能力を高めるトレンド

表層思考から深層思考へ
Erikona/gettyimages

今は不安定、不確実で先の読めない時代になっていると言われている。この世の中を生き抜くためのものとして、ビジネスの世界では「アジャイル」がキーワードとなっている。ビジネス用語としては、「熟考してから行動するのでは間に合わないため、すばやく考え、動きながら軌道修正しよう」ということを指す。どうせ先が見通せない時代なのだからまず行動して活路を見出そう、という考え方だ。これを効果的に行なうために、物事を「表層的」ではなく「深層的」に考える力を身につける。

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要約公開日 2020.07.09
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