本当に集中したい場合、あなたはどこへ行くだろうか? 「会社」と答える人はほとんどいないだろう。会社だとしても朝早くの誰もいないうちか、みんな帰った夜中、あるいは週末を選ぶはずだ。仕事をしたい人にとって、昼間の会社は最悪だ。
昼間の会社はまるでフードプロセッサのような場所だ。同僚に話しかけられたり、どうでもいいミーティングに呼ばれたりして、まとまった時間が取れなくなってしまう。クリエイティブな仕事にはまとまった時間が必須なのに、会社ではそれが不可能だ。
そこでリモートワークの出番である。会社の外にいれば、誰にも邪魔されることなく仕事に集中でき、生産性は格段に向上する。
もちろん家で仕事をするにしても、テレビの誘惑がある。カフェで仕事をするなら、隣の会話が気になって集中できないかもしれない。しかし、そうした要因は、避けようと思えば避けられるものばかりだ。隣の会話がうるさいならヘッドフォンで音楽を聴けばいい。
通勤時間は、誰にとっても苦痛なものだ。朝は早く起きなければならないし、帰ってくるのは遅くなる。平日の時間は通勤時間に圧迫され、こまごまとした仕事を片づけていたら、週末の半分は終わってしまう。朝の渋滞はイライラを引き起こすし、混みあった電車やバスに乗るのは最悪だ。
通勤が体に悪いことは、科学的にも明らかになっている。通勤時間の長い人は太りやすく、ストレスが多く、ゆううつな気分になりやすい。さらには肥満やストレス、不眠や肩こり、高血圧などストレス性の病気も引き起こす。心臓発作やうつ病のリスクが高まり、離婚率が上がることも判明している。
通勤時間はまた、ビジネスにもネガティブな影響をもたらす。片道45分かけて通勤している人の場合、1日に1時間半、1週間で7時間半もの時間が通勤に費やされている。1年で300時間から400時間が通勤のために消えるのだ。
著者が自社の主力製品「ベースキャンプ」の制作にかかった時間は、400時間だ。400時間が自由に使えれば、かなりのことができるだろう。
リモートワークでは、働く場所が自由になるだけでなく、働く時間も選べる。
たとえばベースキャンプでは、平均労働時間を週に40時間とし、その時間配分は個々人に委ねている。
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