リーダーであり続けるために必要なものとは何か? その基本となるのは(描く力+決める力+やりきる力)×まとめる力×学び続ける力という方程式である。まとめる力と学び続ける力はかけ算であるため、どちらかがゼロになるとすべてがゼロになってしまう。足し算になっている3つの力を増やし、まとめる力と学び続ける力を伸ばすことを、若手であれ中堅であれ意識してみよう。
ビジョンを描くときには、自分の事業で世の中をどう変えたいのかという「とてつもない妄想」を抱く必要がある。リーダーとして成功する人はみな、事業の将来像や理想像をはっきりと持ち、恥ずかしがることなく周囲に熱く語ることができる人だ。
妄想が描けたら、それを5年以上抱き続けられるかを自問自答してみよう。ここでしっかりとした設計図を作れていれば、やるべきことや問題点が明確になるはずだ。いざ事業を行う際には、「最初に描いたビジョン(妄想)を完成させるために何が必要なのか」という自分なりのフィルターをもって、意見や提案を取り入れるかどうかの判断をしなくてはいけない。
時代を動かしてきた経営者は、実現すべきことを自ら率先して行ってきた人である。「○○であるべきだ」という、現実から離れた「べき論」と、自分の理想に根づいた「ビジョン」は別物であることを意識すべきだ。「べき論」に縛られずに、「自分はこうする、こうしたい」という考え方をしていけるようにシフトしていくことが重要だ。
社長やリーダーの仕事の中でも、手腕が問われるのは「資源調達と分配」である。限られたヒト・モノ・カネをどこにどう割り当てると最も効果的なのか。今やっている仕事の資源を洗い出し、分配の作戦を練り、管理していく練習を、まだリーダーでない方も練習しておくとよい。
それから、「採用・人事」と「広報・PR」については、トップが常に最終権限をもつべきだと、筆者はリクルート時代に教えられたという。優秀な人材は会社の要であるし、そして社内外に企業姿勢や取り組みを発信することは、自社の応援者を育ててゆくために大事なことだからだ。
広報・PRの力は、今関わっている仕事をいかに周囲に告知していくかという活動によって身につけていくことができる。自身のブランド化や人脈形成にも役立つことだろう。
「信頼」はコミュニケーションや合意形成において大きなメリットをもたらしてくれる。「信頼」を生み出すには次のプロセスを踏む必要がある。
①「約束」し、必ず守る
②「信用」を得る(実績で判断される)
③「信頼」される(実績が積み上がり、結果、無条件で信用される)
①の段階を経ずに信頼を築くことはできない。スピード対応、即レス、決めごとの完遂、安定した品質提供などを着実に積み重ねていくことが、取引先や顧客との信頼形成において不可欠である。
人との「かかわり方」は、リーダーとしての器が問われるところだ。現代の企業に求められるのは、現場をサポートしながら導くタイプのリーダーシップである。リーダーの明確な方向付けのもとに、各メンバーが意志と責任をもって動き、リーダーがそれを支援するのだ。では、こうしたリーダーシップを発揮するコミュニケーションをどのように生み出していけばいいだろうか?
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