感染症の流行に伴い、これまでオフラインでセミナーを行っていた人の多くは、オンラインへの移行を迫られていることだろう。しかし、オフラインセミナーの内容をそのままオンラインに移行するだけでは、参加者にとって価値のあるコンテンツを提供することはできない。オンラインのセミナーに最適化するためのポイントは次の5つだ。
1つ目のポイントは、セミナーの構成自体を変えることだ。集中力が続きにくくなるオンラインでは、一方的に聞く時間は極力抑えなければならない。質疑応答の時間を設けたりチャットを利用したりして、双方向のコミュニケーションを心がけよう。
2つ目はファシリテーションの見直しだ。よほどオンライン慣れしている参加者でなければ、自らチャットにコメントしてくれることはない。最初に緊張をほぐすために、チャットでコメントを入れる練習をしたり、途中でもチャットで質問を促したりして、参加者が自らチャットをしたくなるような環境構築を目指そう。
3つ目は資料の再構成だ。セミナー全体の構成に合わせて、資料も作り直す必要がある。指示は口頭ではなく、資料に記載し、遅れてきた人にも配慮して同じスライドを複数回表示するようにしよう。
4つ目はツールと設備の選定である。オンライン化の最初の段階では、複雑なツールや機能を使いこなすことよりも、プレゼンテーションやファシリテーションなどをオンラインへ適応させることの方へ労力を注いだ方が良い。今であれば、ツールは多くの人が使い慣れているZoomの基本設定だけで十分だろう。
最後のポイントは、予行演習だ。ツールのオペレーションが必要なオンラインは、オフライン以上に予行演習をする必要がある。セミナー中に自分がどう見えているのか、どう聞こえているのかもオンラインでは把握しづらい。事前に他の人にオンラインツール経由でセミナーを受けてもらい、フィードバックをもらうことが望ましい。
コンテンツをいくら磨いても、オペレーションが悪いと参加者の満足度は下がってしまう。オンラインとオフラインでは参加動線や要員配置が異なる。対応すべき項目は次の5つだ。
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