[実況]ロジカルシンキング教室

グロービスMBA集中講義
未読
[実況]ロジカルシンキング教室
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[実況]ロジカルシンキング教室
出版社
PHP研究所
出版日
2011年05月17日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

ロジカルシンキングというテーマでは、多くの良書が存在する。バーバラミント氏による「考える技術・書く技術」、齋藤嘉則氏による「問題解決プロフェッショナル『思考と技術』」、安宅和人氏による「イシューからはじめよ」、グロービスによる「グロービス MBAクリティカル・シンキング」など。その中で、本書「[実況]ロジカルシンキング教室」は、『教室』という言葉がついているように、同カテゴリの中でも特に読みやすい書と言え、わかりやすくロジカルシンキングの全体像が示されている点が特長である。

ところで、世間ではなぜロジカルシンキングが必要とされているのだろうか。著者によれば、グローバル化の中で明確なコミュニケーションの必要性、競争環境の激化に伴う意思決定のスピードアップ、クリエイティブに考える必要性の3点だという。特に3番目のクリエイティブさとロジカルシンキングの関連に関しては、意外と思われる方もいらっしゃるかもしれない。だが実際に新規事業などのテーマで多くの方と議論をしてみると、アイデア出しの場面や仮説と検証を高速で繰り返す際に、ロジカルシンキングが効力を発揮する場面が多いことを実感するだろう。

本書はロジカルシンキングをこれから学ぼう、あるいは今までセミナーなどで学んだことを復習しよう、という方が第一に読むべき入門書と言えるだろう。意識の高い学生や、若手からベテランの社員の方まで、幅広いビジネスパーソンにお薦めしたい良書である。

ライター画像
大賀康史

著者

嶋田 毅(しまだ つよし)
グロービス出版局長 兼 編集長。マネジング・ディレクター。
グロービス経営大学院教授。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了後、戦略系コンサルティングファームに入社、業界・企業分析や戦略の立案、実行支援を行う。その後、外資系理化学機器メーカーを経てグロービスに入社、現在は主に出版、ライセンシングなどを担当。著書に『利益思考』(東洋経済新報社)、『ビジネス仮説力の磨き方』(ダイヤモンド社)、共著書に『グロービスMBAマネジメント・ブック』『グロービスMBA事業開発マネジメント』『MBAビジネスプラン』『MBA定量分析と意思決定』(以上、ダイヤモンド社)、『ベンチャー経営革命』(日経BP社)など、共訳書に『MITスローン・スクール戦略論』(東洋経済新報社)、『リーダーを育てる会社つぶす会社』(英治出版)などがある。グロービス経営大学院や企業研修において管理会計、ビジネス定量分析、経営戦略、戦略実行、ビジネスプラン等の講師、自社課題アクションラーニングのファシリテーターも務める。

本書の要点

  • 要点
    1
    ロジカルシンキングの一番基本となるルールは、次の4つに集約される。
  • 要点
    2
    ・「そう/そうじゃない」を明確にする
  • 要点
    3
    ・「なぜなら」「だから」で話を展開する
  • 要点
    4
    ・ファクトに結びつける
  • 要点
    5
    ・論点を押さえ、全体をバランスよく考える
  • 要点
    6
    情報を二つの軸(切り口)によって図表化する「マトリックス」により、複雑な内容が視覚的かつ直感的に頭に入ってくるようになる。
  • 要点
    7
    著名なフレームワークは、自分で一から考える場合よりも時間と労力が節約できるため、威力が大きいものだが、それぞれに目的や特性があるので、都度最も適切なフレームワークを選ばなくてはいけない点に留意すべきである。

要約

【必読ポイント!】筋道を立てて論理的に考える

基本のルールは4つだけ

ロジカルシンキングを直訳すると「論理的思考」、つまり「筋道を立てて論理的に考えること」を指す。ロジカルシンキングにおいて最も基本となるルールは、次の4つに集約される。

①「そう/そうじゃない」を明確にする

②「なぜなら」「だから」で話を展開する

③ファクトに結びつける

④論点を押さえ、全体をバランスよく考える

MECE(ミーシー:モレなくダブリなく)、ロジックツリー、ピラミッドストラクチャーなどロジカルシンキングのツールの根底には、必ずこの4つの基本がある。以降では1つずつ、この4つの基本ルールを解説する。

結論に説得力を持たせる
shutter_m/iStock/Thinkstock

ロジカルシンキングの第一の基本ルールは、「そう/そうじゃない」を明確にすることだ。言い換えれば、「イエス/ノー」「やる/やらない」「右に行く/左に行く」など、結論をはっきりさせるということである。

ロジカルシンキングができていない人は、結論をあいまいにしてしまうケースが多い。「どうすれば営業成績が上がるのか」という論点に対して、「人それぞれだからなんとも言えない」「成果につながらない訪問は無駄になりがちだけれど、そこから次の仕事につながることもある」という答えではまったく意味がないのである。

ロジカルシンキングのよいところは、「なぜ」と聞かれた際にも、「これこれこういう理由でこの結論を出しました」ということを説得力のあるかたちで説明できる点である。「明確な結論」とロジカルシンキングは、切っても切り離せない関係にあるのだ。

筋道が見えないと、要領をえない

論理的に考えるとは、「筋道を立てて段階的に判断していくこと」であり、この「筋道を立てる」というのは、別の言葉で言い換えると、「根拠と結論を『なぜなら』あるいは『だから』でつなげること」となる。

・根拠―だから→結論

・結論―なぜなら→根拠

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要約公開日 2014.08.15
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