自分自身の価値観、未来像などについて、「真剣に」考えることが、自分のキャリアを考えていく上でのスタートになる。
よく使われる「自分探し」や「自己発見」という言葉があるが、これは、どこかに隠された本当の自分を発掘するということではない。今まで自分が経験してきたこと、考えてきたことを納得のいく形で明らかにし、頭の中で整理する作業なのだ。
「自分探し」は若い時にすることだと否定的に捉える人もいるが、そうではない。自分をとりまく環境や状況が変わっていくのに合わせて、そのつど必要な自分探しがあるのだ。
自分がこうありたいという未来をイメージできて初めて、現状と未来のギャップを埋める活動をすることができる。
そもそも、キャリアとは何か。それは、簡単にいうと「仕事だけではなく、自分が社会において人生でどのような役割を果たすのか」ということである。すなわち、自分がどのような人生を歩みたいのかということともいえる。仕事での役割、家族の中での役割など、どういう役割を果たしたいのか、どのように強弱をつけるのか、ということを指す。
これらを考えるときに重視するものは、人それぞれの価値観によって異なるだろう。絶対的な「良いキャリア」というものはなく、「自分らしい人生」を自分で納得して決めるしかないのだ。
人生を考えるためには、人生における役割と、それぞれの役割ごとに自分にどんな選択肢があるのか、またその選択肢からどれを選ぶことになる可能性が高いのかをひとつひとつ検討する必要がある。一方で、役割を離れた自由な時間がどの程度あるかということを知っておくことも肝要だ。
一般的に、人が社会にでてから担う可能性のある役割には、大きく分けて次の5つのカテゴリーがある。
①職業人としての役割
②パートナーとしての役割
③息子、あるいは娘としての役割
④父親、あるいは母親としての役割
⑤社会人(職業人としてではない社会との関わり)としての役割
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