無敗営業 チーム戦略

未読
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出版社
出版日
2020年10月26日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

本書のテーマは、オンラインとリアルのハイブリッドで仕事をする時代の「強い営業チーム作り」である。営業と銘打っているが、営業以外の仕事でもコロナ禍の「新常態」における仕事の進め方について少しでも迷いがあるのであれば、間違いなく手に取る価値があるだろう。

著者が行なったアンケートによれば、仕事がオンラインに大きくシフトした2020年3月以降、多くの会社では、会議は回数・時間とも減っている一方で、メールやチャットなどのやり取りが増大した。報告や業務の遂行に必要なやり取りは増える一方、雑談や個別面談の回数は激減している。つまり、「不要不急」のコミュニケーションが失われているのである。

こうした状況下で、どのようにしたら強いチームを作り、維持することができるのだろうか。それは、目的達成に関わる活動をできるだけ仕組み化し、組織のメンテナンスにかける余力を生み出すことである。それが、本書が提案する、強いチームを作るための4ステップである。これは、どのような組織でも応用可能なノウハウだろう。

要約では、主としてそうしたノウハウを、それもそのごく一部を紹介するにとどまるが、本書にあたって読み解いてほしいのは、著者の仕事に対する姿勢である。ひとつは「誰でも当たり前のようにできているべきこと」を目指して、徹底的にロジックを積み重ねている点、そしてもうひとつは現場からのフィードバックに基づいた、これもまた徹底的な現実志向である。そうした点も、ぜひベンチマークしたい。

ライター画像
しいたに

著者

高橋 浩一(たかはし こういち)
TORiX株式会社 代表取締役
東京大学経済学部卒業。外資系戦略コンサルティング会社を経て25歳で起業、企業研修のアルー株式会社へ創業参画(取締役副社長)。1日100件のテレアポ新規開拓や数十人の営業組織をゼロから作り、同社上場に向けた足がかりを作る。2011年にTORiX株式会社を設立し、代表に就任(現職)。これまでの経験をベースとして、上場企業を中心に50業種3万人以上の営業強化を支援。行動変容を促す構造的アプローチに基づき、年間200本の研修、800件のコンサルティングを実施。日経ビジネス課長塾“THE 営業力”でもメイン講師を務める。8年間、自らがプレゼンしたコンペの勝率は100%を誇る。主な著書に『無敗営業「3つの質問」と「4つの力」』(日経BP)など
Twitter@takahashikoichi

本書の要点

  • 要点
    1
    コロナ禍において、多くの担当者がオンラインによる商談をメインとしたいと考えている。オンライン商談を成功させるためのカギは、「段取り」と「納得感の醸成」である。
  • 要点
    2
    これからの営業の課題は、成果に直結する「目標達成」や「数字のコミット」についてのコミュニケーションを維持しつつ、リモートワークで失われがちな「雑談」や「個別の対話」が果たしていた役割を補い、両立させていくことだ。

要約

【必読ポイント!】ハイブリッド営業の勝ちパターンを作る

強い営業チームを作るための4ステップ

強い営業チームを作るために、誰もが実践でき、手応えを得られる具体的な方法は、次の4つのステップにまとめられる。

1つ目は、チームのみんなが信じられる「勝ちパターンを作る」こと。その勝ち筋に沿って、方針や施策を組み立てる。

2つ目は「活動の実態を『見える化』する」ことで、ここで勝ちパターンの仮説が正しいかどうかを検証する。方針や施策の実行が業績に結びついているかをモニタリングするのである。

3つ目は、「人が育つ仕組みを作る」だ。これは、頭ではわかっていてもうまく実践に移せないメンバーに対して必須である。

これら3つがそろうと、マネジャーは安心して4つ目の「コミュニケーションのバランスを整える」に集中できる。

オンライン商談は「段取り」と「納得感」がカギ
chee gin tan/gettyimages

ここでは、ハイブリッド営業の時代における「勝ちパターン」についてみていく。

著者は、コロナ禍による緊急事態宣言が解除された2020年6月以降、営業側と購買側それぞれ300人以上に「オンライン」「リモートワーク」に関するアンケート調査を行った。会社の予算で購買した経験を持つ購買側に対して「適切な購買をするために、望ましい商談のスタイルはどれか」を聞くと、75%がオンラインによる商談を望んでいることがわかった。何らかの形で商談にオンラインを組み込みたいという希望まで含めると、ほぼ90%だ。もはや、オンライン商談を避けて通ることはできないといえるだろう。

では、対面の商談とオンライン商談では、購買の決め手はどう変わるのか。オンライン商談で受注の決め手になったものを尋ねると、「段取りや進め方」に関するものと「納得感の醸成」に関わるものが上位を占めた。逆に「マナー・価格・営業の人柄」などといった従来の営業で重視されてきた項目は、オンライン商談ではあまり評価の対象にならないことがわかった。

段取りや納得感の醸成は、リアルな商談でも重要だったはずである。対面ではキャラや熱意、値引きなどによって何とかなっていたが、オンライン営業ではそれが通用しないと考えるのが妥当であろう。

本書では「段取り」と「納得感の醸成」にいずれについても詳細に解説されるが、要約では、「納得感の醸成」を取り上げて説明する。アンケートから見えてきたのは、オンラインでは、お客さまが不明点を指摘したり、確認をしたりするタイミングが見つけづらいということである。

この課題を解決するのは、

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要約公開日 2021.03.04
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