強い営業チームを作るために、誰もが実践でき、手応えを得られる具体的な方法は、次の4つのステップにまとめられる。
1つ目は、チームのみんなが信じられる「勝ちパターンを作る」こと。その勝ち筋に沿って、方針や施策を組み立てる。
2つ目は「活動の実態を『見える化』する」ことで、ここで勝ちパターンの仮説が正しいかどうかを検証する。方針や施策の実行が業績に結びついているかをモニタリングするのである。
3つ目は、「人が育つ仕組みを作る」だ。これは、頭ではわかっていてもうまく実践に移せないメンバーに対して必須である。
これら3つがそろうと、マネジャーは安心して4つ目の「コミュニケーションのバランスを整える」に集中できる。
ここでは、ハイブリッド営業の時代における「勝ちパターン」についてみていく。
著者は、コロナ禍による緊急事態宣言が解除された2020年6月以降、営業側と購買側それぞれ300人以上に「オンライン」「リモートワーク」に関するアンケート調査を行った。会社の予算で購買した経験を持つ購買側に対して「適切な購買をするために、望ましい商談のスタイルはどれか」を聞くと、75%がオンラインによる商談を望んでいることがわかった。何らかの形で商談にオンラインを組み込みたいという希望まで含めると、ほぼ90%だ。もはや、オンライン商談を避けて通ることはできないといえるだろう。
では、対面の商談とオンライン商談では、購買の決め手はどう変わるのか。オンライン商談で受注の決め手になったものを尋ねると、「段取りや進め方」に関するものと「納得感の醸成」に関わるものが上位を占めた。逆に「マナー・価格・営業の人柄」などといった従来の営業で重視されてきた項目は、オンライン商談ではあまり評価の対象にならないことがわかった。
段取りや納得感の醸成は、リアルな商談でも重要だったはずである。対面ではキャラや熱意、値引きなどによって何とかなっていたが、オンライン営業ではそれが通用しないと考えるのが妥当であろう。
本書では「段取り」と「納得感の醸成」にいずれについても詳細に解説されるが、要約では、「納得感の醸成」を取り上げて説明する。アンケートから見えてきたのは、オンラインでは、お客さまが不明点を指摘したり、確認をしたりするタイミングが見つけづらいということである。
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