モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育ての表紙

モンテッソーリ教育が教えてくれた「信じる」子育て


本書の要点

  • 子どもはみな自ら育つ力を持つ。子育てにおいて大切なことは「子どもを尊重して信じる」ことであり、大人の無条件の信頼が子どもの自立をサポートする。モンテッソーリ教育は、子どもの自立だけでなく、相手を尊重するかかわりを通じて大人もまた成長できる理論である。

  • 家庭でモンテッソーリ教育を取り入れる際は、「環境を整える」「子どもを観察する」「大人がやって見せる」「見守る」の4つのポイントを意識することが重要だ。

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【必読ポイント!】 家庭でできる、モンテッソーリ教育

子どもは自ら育つ力を持っている

Geber86/gettyimages

子どもは大人と対等な存在であり、人格を持った一人の人間だ。それゆえに、子育てにおいて何よりもまず大切なことは、「子どもを尊重して信じる」ことである。子どもはみな「自ら育つ力」を持ち、誰に何を言われなくとも、自らを創っていくことができる。子どもの育ちには、子どもの持つ力を無条件に信じる、大人のサポートが欠かせない。モンテッソーリ教育は、子どもを尊重して信じることを基盤に作り上げられた教育方法だ。子どもの生きる力を育てることができるだけでなく、相手を尊重するかかわりを意識することによって、子育てをする大人自身も大きく成長することができる。子どもは、2つの「じりつ」に向けて自らを発達させていく。自分のことを自分でできるようになる「自立」と、自分を律することができるようになる「自律」だ。特に、0~6歳の乳幼児期は、自分という個をつくる、人生において大切な時期だ。この期間、子どもは発達をあきらめたり、嫌がったりすることなく、自らを発達させることに必死である。0~3歳の時期は、「無意識」の時期とされ、意識的に何かをするよりも、自らの衝動に従ってエネルギーのままに動くことが多い。3~6歳の「意識」の時期になると、「自分がどうしたいのか」という目的をもって物事を選択し、意識的に取り組む姿が見られるようになる。0〜6歳の幼少期といっても、前半と後半で発達段階が異なる。子どもと接するときには、その子が今どの段階にいるかを考えてみよう。

モンテッソーリ教育の4つのポイント

kohei_hara/gettyimages

モンテッソーリ教育は、園や学校に限らず、家庭でも取り入れることができる。その際には4つのポイントを意識したい。まずは、「環境を整える」こと。モンテッソーリ教育では、子どもの「今やりたい」気持ちを叶えられる環境を用意する。やりたい気持ちがあっても環境が整っていないと、子どもはエネルギーが発揮できず、不満足に終わってしまう。例えば、ティッシュを何度も引っ張る子どもには、繰り返し「引っ張る」動作を経験できる活動を用意する。このように「環境」を通してサポートすることで、大人が直接子どもに教えるという一方的な構図ではなく、大人は間接的に子どもの育ちを助けることにつながる。

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要約公開日 2021.03.07
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